FUJIROCK EXPRESS '26

LIVE REPORT - ORANGE ECHO 7/26 SUN

Noridogam

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Posted on 2026.7.26 19:44

韓国の今を知るバンドが充実する今年。Silica Gelのギタリストのアナザーサイド

昨年はAAA、Silica Gel、Balming Tiger、LEENALCHIなど韓国(AAAはHYUKOHと台湾のSunset Rollercoasterのプロジェクトだが)のバンドが多数出演したが、今年はメンバーが重なる韓国のバンドが複数登場。シーンを追っている人、純粋に音楽性が好きなファンにとって相当嬉しい年になったはずだ。最終日のORANGE ECHOに出演したNoridogamはSilica Gelのギター&ボーカル、キム・チュンチュがスタートさせたプロジェクトで、メンバーのチョン・イルジュン(Dr)は Bongjeingan(ボンジェインガン)、Balming Tigerにも所属、チ・ユネ (Ba) もBongjeinganのベースでシンガーソングライター。昨日のBongjeinganとプレイスタイルの違いが楽しみだ。さらにキム・ブーミン(Sax) はジャズ/フュージョンシーンでも活躍しており、カン・ジウォン(Key)はシンガーソングライターで今年5月に1stアルバム『Ordinary Ever After』リリースしている韓国ミュージックシーンのキーマン揃いなのだ。

手遊びが描かれた日本の絵本をヒントに「遊び図鑑」を意味するバンド名を冠したNoridogamの音楽性はSilica Gelの金属的でスペーシーなものとは違い、アメリカーナやレトロなポップス、オーセンティックなロックなどが曲ごとに色を強める印象。チュンチュのギタリストとしてのセンスもジャズやトラディショナルなフレーズを彼流に再構築したものが光る。丁寧なサウンドチェックをしたあと、オンステージするとほぼ雨が止んだORANGE ECHOのステージ前に続々人が集まってきた。オープナーはアメリカーナとファンクが混ざる“Handshake”。サックスがいい味を出していて、少しとぼけた音の隙間もいい。オリジナルではmei eharaとのデュエットで聴かせた“Hazard Course”でのソフトロックともAORとの如何とも形容しがたい洒脱さも、巧いバンドが技を誇示しないからこその良さがある。そしてチュンチュの素直で抜けの良い声質が、大人っぽいアンサンブルに新鮮さという軸を与えている。

選び抜かれた音やフレーズとカジュアルな学生バンドみたいなバランスの妙にオーディエンスも打ち解けて、いい雰囲気になったところに、サイケデリックなアナログシンセの印象的なフレーズが煌めくと、ワッと歓声が上がる。最新アルバム『TRUTHBUSTER』のタイトルチューン“Trutebusster”だ。いやもう、こんな心地よいサウンド、酩酊して聴いたらさらに心地よいに決まってる。サビでロック的なアンサンブルに突入すると、個人的には60年代後半のフォーク時代のDavid Bowieの声を思い出してしまう。不思議な青い色気を持った人だ。

余談だが、前回の来日時に細野晴臣のラジオにゲスト出演したチュンチュ。はっぴいエンドより、氏のアメリカーナ路線の作品に共通項を見るのだが、リラックスしているけど細かなこだわりのある音楽性に共鳴しているのだと思う。誇大な部分のないバンドミュージックの滋養を存分に届けてくれるNodorigam。全10曲のステージはメンバーもオーディエンスも音で会話するような親密さを持つ“The Liar’s Tragedy”が、徐々にアンサンブルのダイナミズムを高潮させてフィニッシュ。小雨が降ってきた中、熱心に演奏に集中してくれたオーディエンスを日本語で「優しい」と感謝していたキム・チュンチュこそ優しいと思う。どんな時も気持ちの平衡を取り戻させてくれる音楽はさらに認知を広げることだろう。

[写真:全10枚]

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7/26 SUNORANGE ECHO