FUJIROCK EXPRESS '26

LIVE REPORT - THE PALACE OF WONDER 7/25 SAT

STOMPIN’ RIFFRAFFS

  • STOMPIN’ RIFFRAFFS
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Posted on 2026.7.26 01:02

深夜のパレスで、ロックンロールの熱湯をザバッと浴びろ!

フジロック2日目。各メインステージのライブが終わり、時計の針はまもなく24時を指そうとしていた。だが、苗場の夜はここからが本番だ。RED MARQUEEでは、唾奇が深夜の幕開けを告げるステージを展開。その向こうからは、THE BAWDIESの変名スペシャルバンド・HOT DOG EXPRESSによるゴキゲンなロックンロールが鳴り響き、夜の苗場をさらに熱くあおっている。そんな中、WHITE STAGEを終えたばかりのTOMORAのトムが、急遽、苗場食堂でDJをやるらしい!というニュースまで飛び込んできた。深夜の苗場では、予定調和など存在しない。何が起こるかわからないからこそ、夜更かしはやめられないのだ。

向かうは、THE PALACE OF WONDER(パレス)のCRYSTAL PALACE TENT。ROOKIE A GO-GOではmayuがラストナンバーを歌い終え、温かな拍手に送られながらステージを後にする。一方、毎年シークレットゲストが話題を呼ぶ「Vegas in Milk」では、THA BLUE HERBがフジロックの歴史を取り入れたフロウで熱狂の渦へ巻き込み、人でごった返していた。サーカスがあり、”世界一小さなディスコ”Miniscule of Soundがあり(祝!復活)、奇想天外なオブジェが立ち並ぶ。遊び心に満ちたこの空間には、フジロックのスピリットがぎゅっと詰まっている。

これからここに登場するのは、東京を拠点に活動するロックンロール・バンド、STOMPIN’ RIFFRAFFS(以下ストンピン)。50年代ロックンロールを核に、ガレージ・パンク、サイコビリー、ホラー映画さながらの妖しい世界観を混ぜ合わせ、TeengenerateやMAD3から連なる日本アンダーグラウンド・ロックンロールシーンの血脈を感じさせるサウンドを鳴らす。音源を聴いた瞬間、これは間違いなくパレス向きのバンドだと確信した。これは見逃すわけにはいかない。

ストンピンを迎えるべく、DJのBABY SOULがフロアをじっくりと温めていく。エディ・コクランの“Somethin’ Else”や、George Flemingの“I’m Gonna Tell On You”と、ゴキゲンなロックンロールを立て続けに投下。オーディエンスは自然と揺れ、場のボルテージは着実に上がっていく。もう、場は仕上がった。最後は「Fuji Rock rocks!」と叫び、ボ・ディドリーの“You Can’t Judge A Book By Its Cover”で締めくくる中、その熱気を受け継ぐように、アメコミのヒーローか、それとも怪盗か。黒いドミノマスクで怪しさ満点のSAORI(Dr)、RIE(B)、MIKU(key)、そしてフロントマンのNAOがゆっくりとステージへ姿を現しスタンバイ。いよいよ、ストンピン開演だ。

オープニングは“WILD”。タイトルどおりの荒々しいロックンロールで幕を開ける。NAOが獣のような咆哮でのっけから全開だ。2分程度の短く鋭いナンバーを次々と畳みかけ、熱をフロアにぶち込んでいく。SAORIが「初めての人も、いつもの人も、最後まで楽しんでいきましょー!」と呼びかけると、“Phantom Rock”でフロアは一気に沸騰。荒れ狂うロックンロールに突き動かされ、あちこちでポゴダンスが巻き起こる。モッシュにも見えるが、危険なやつじゃない。互いへの愛あるポゴダンスなんだ。

「暑い!イコール最高なんで。ガンガン盛り上がっていきましょう!」とSAORI。そのままなだれ込んだ“The Casbah”で、ついにMIKUのテルミンが火を吹く。空間を切り裂くようにビュンビュンと轟音が鳴り響き、フロアは一気にストンピンの怪しくも痛快な世界へ。そしてフロント3人が息ぴったりに横へ跳ねるおなじみのステップが飛び出すと、オーディエンスも笑顔でぴょんぴょんとポゴダンスだ。

NAOはギターを抱えたままフロアへ飛び込み、オーディエンスの輪の中でプレイ。ステージとフロアの境界はあっという間に消え去る。そして、メンバー全員が一斉に絶叫を放つ。その剥き出しのエネルギーに、場内の熱気は一気に沸点へ達した。こんなに生々しく、危険で、ロックンロールの衝動をむき出しにしたバンドを、最近のフジロックでどれだけ目撃できるだろうか。少なくともメインステージではなかなか出会えない。だからこそ、このパレスという場が必須なんだ。

次のDJを務めるギャズ・メイオールがマイクを手に取り、「One more song! My new favorite band, STOMPIN’ RIFFRAFFS!!」と高らかに叫ぶ。そして間髪入れずに投下されたのは、ガレージ・ロックの金字塔、ザ・ソニックス“The Witch”。この熱狂の中で、この一曲だ。フロアの熱が冷める暇など一切ない。

「フジロック、最高です! この後、飲みましょうよ。一緒に。朝まで付き合います!」とNAO。最後までテルミンの轟音が鳴り響き、爆音・爆走ロックンロールにフロアはもうぐちゃぐちゃ。笑顔と、心地よい汗と、酒にまみれながら、誰もがこの瞬間を全身で楽しんでいる。最高にピースフルなカオスだった。全力でロックンロールを鳴らし切り、全力で燃え尽きた45分。これだから、深夜のパレスはやめられない。

[写真:全10枚]

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7/25 SATTHE PALACE OF WONDER