LIVE REPORT - PYRAMID GARDEN 7/24 FRI
君島大空 × 水野蒼生 電氣交響楽団
ピラミッドガーデンにたどり着いた人だけが見ることのできる楽園
合奏形態ではルーキー、ヘブン、そして去年はグリーンステージに出演してきた君島大空。今回はクラシカルDJであり君島とは2021年水野蒼生のアルバム『VOICE-An Awakening At The Opera-』収録の“献呈”、EP『&fancy.』収録の“my_fancy_world_Moment”で共演した水野との電氣交響楽団での登場だ。というより、今回は水野主導のプロジェクト。サウンドチェックでは本番でのボコーダーボイスのままで「団員」に指示する様子が先生のようですでに面白い。ピラミッドに続々人が集まってきた。
ステージ狭しと位置についた総勢10名。オープニングは水野が君島の音楽に出会う契機になった“午後の反射光”で、いきなりバイオリンリフのアレンジが効いている。君島と水野は向かい合う陣形で、水野は歌というか声で森に潜む生き物っぽい気配を加える。想像していたより全然バンドサウンドであることに驚いていると、君島がハンドマイクで歌に集中する“献呈”。君島自身は書かない表現だと過去に言っていた歌詞というか超訳――《この身を差し出す僕を許さないで》が心に触れると同時にこの人のボーカリストとしてのポテンシャルにも震える。“The night comes.”ではちょっとくるりのオーケストラシリーズに近いものを感じたりして、水野の作るアレンジはユニークだが、そもそも彼ら2人が共振するメロディのクラシカル要素とポップさを再認識する演奏でもあった。
長いインストセッションを配した“札”、合奏形式では凶暴なギターの攻防を聴かせる“笑止”は電氣交響楽団では、君島の歌唱にもある震える声を水野もボコーダー越しに実現し、それが凶暴な印象を与えたのも面白い。もちろん君島のギターソロは音像や音圧こそ柔らかいにしろ、フレージングそのものは鋭い。水野に歌メロを預けることもこのスタイルの大いなる聴きどころで、“エルド”ではかなり水野に歌メロを託している。バイオリン×3、ベース、ドラムス、ギター、キーボード、SE、サックスなど人数は多いが決して音が濁らないのもこのスタイルならではの体感の涼しさがある。
クイーンが発想源と思しき“my_fancy_world_ending”はオペラっぽい展開も君島のブライアン・メイ・インスパイアのギターにもグイグイ引き込まれ、水野は近作をさまざまなオーディエンスに届けられる歓喜だろうか、不思議なアクションも。サックスが入る“遠視のコントラルト”のオリジナルと異なる響きの心地よさ、バイオリンがドローンめいた揺蕩う音像を作る“Lover”、クラシックギターの旋律にも似た歌メロが両者のコラボの必然を感じさせる“Q”。
ラストを前に水野が君島の音楽にクラシカルな共通点を感じ、いつか共に音楽を作る予感がしていたことや、この形態では3度目で早くもフジロックに出演できたことに感激を表す。そして、ビルボード公演でも披露されていなかった“16:28”が、水野の「1人クワイヤ」と呼べそうなホーリーな声が加わったアレンジで届けられ、1日の終わりにピラミッドまで足を伸ばしたオーディエンスにとって最大の贈り物になった。
《Setlist》
午後の反射光
献呈
The night comes.
札
笑止
エルド
my_fancy_world_ending
遠視のコントラルト
Lover
Q
16:28
[写真:全10枚]









