LIVE REPORT - GREEN STAGE 7/24 FRI
ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA feat. 大江慎也 甲本ヒロト 浅井健一 トータス松本 / THANKS, SMILEY HARASHIMA
ありのまま楽しむ晴れやかな笑顔で
いよいよ始まった今年のフジロック。グリーン・ステージはまだそれほど人は多くないけれど、ゆったりと座っている人たちの顔にはこれから始まる期待感が見て取れる。いつもの初日の朝の光景だ。今年はいつもいたあの人がいないんだけど、サクヤナガワとジョージ・ウィリアムズが晴れやかな表情で「まだいるように感じるよね」と投げかけると、不思議とそんな感じがする。今年のグリーン・ステージの開幕を飾るのは、ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAのスマイリー原島に向けたステージだ。
まず登場したのはトータス松本。独特のこぶしを効かせたマーヴィン・ゲイの“Stubborn Kind Of Fellow”や、ソロパートでゾクっとする情感を醸し出したオーティス・レディングの“Hard To Handle”を立て続けに披露。2019年のG&G Miller Orchestraの出演の時にも歌ったこの2曲を原島さんが褒めてくれたエピソードを話し、THE ROOSTERSに敬意を込めて“SITTING ON THE FENCE”を歌い上げる。
続いて登場した浅井健一は、シンプルな弾き語りからバンドの躍動へ雪崩れ込んだJUDEの“シルベット”や、SHEENA & THE ROKKETSの2人に敬意を込めた“LAZY CRAZY BLUES”でグリーンのオーディエンスを釘付けに。ぶっきらぼうなギターストロークや歌い回しを織り交ぜた気だるげな立ち姿が、本当に絵になるんだからこの人は。彼らしいクールな佇まいで、言葉数は少なくとも原島さんへの気持ちを滲ませるベンジー。ひときわ歓声があがったBLANKEY JET CITYの“ガソリンの揺れかた”では歌う人もちらほらいて、グリーンもいい感じにあたたまってきた。
ステージ狭しと跳ね回る甲本ヒロトは、THE ROOSTERSの“新型セドリック”と“Rosie”を僕らに投げかけるように熱唱。バンドマスター池畑潤二(Dr)も興が乗ったような表情を見せ、ここで登場した井上富雄(Ba)とともに、豪華絢爛なロックンロール・オーケストラのグルーヴをさらに深めていく。原島さんとの思い出を振り返る中で、「彼ははじめて会った瞬間から原島くんだった。ロックンロールが好きな人は変われんのよ」と話すヒロトの言葉には、芯を射抜かれたような気持ちになった。トータスもベンジーもヒロトも、何もカッコつけないいつも通りの彼らで、それこそが原島さんへのはなむけなことがスッと伝わってきたし、僕らもありのままの気持ちで今この瞬間を楽しむだけだ。
そして満を持して大江慎也が登場し、フジロックで12年ぶりにTHE ROOSTERSの4人が結集。ライブバンドのスリリングな熱狂に興奮する“TEQUILA”や、ロックンロールの包容力を感じた“LET’S ROCK (Dan Dan)”、気持ちがドライブする軽快なギターサウンドが光った“C.M.C”など、この苗場の大地いっぱいに広がる喜びを噛み締める、グリーンのオーディエンス。大江も実直な言葉選びで原島さんへの追悼の言葉を残していった。
最後はクリス・ペプラーの呼び込みで、全員が再登場。クリスは原島さんと酒を飲んで大笑いしたエピソードを話し「原島さんはここにいますよ。原島さんにもありがとう」と僕らみんなで拍手を送る。原島さんのことをよく知らなくても、トータスやクリスが真似たあのガラガラ声を聞けば、どこか懐かしく感じただろうし、はじめてフジロックに来た人も、ここに集った人々の想いは伝わったことだろう。
なんとクリスによると、はじめての生演奏だという“田舎へ行こう”を4人のゲストで歌い継ぐセッションでは、原島さんゆかりの面々がステージに続々と登場し、スクリーンには原島さんの姿が投影。さすがにこれには目頭が熱くなったが、晴れやかな表情で僕らを見つめる原島さんと、奔放に歌い踊るステージ上の仲間たちを見ていると、僕らも泣き笑いのような表情のまま歌って応える。涙は出ちゃうけど、それでもしめっぽいのは似合わないよね。
フジロック・フェスティバル!楽しんでいってちょうだい!イエーって言えー!
生前の声が流れ、最後に彼は僕らへそう投げかけてくれた。今ここにいる喜びを分かち合うこの馬鹿騒ぎを見たら、原島さんは笑ってくれるんじゃないかな。ありがとう、スマイリー原島さん。
[写真:全10枚]









