FUJIROCK EXPRESS '26

LIVE REPORT - WHITE STAGE 7/24 FRI

ARLO PARKS

  • ARLO PARKS
TEXT BYfujirockers.org

Posted on 2026.7.25 00:42

Arlo Parksの見出す希望が、WHITE STAGEを照らす

時間ぴったりにサポートメンバーの2人を引き連れてステージ中央に現れ、まずは“Heaven”。重いキックのサウンドに、秘密を打ち明けるかのように静かに囁くArlo Parksの純度の高い歌声が響く。たった3人だけで紡がれるミニマルなサウンドだからこそ、その声は立体感を帯び、息遣いまでも感じ取れるようだった。「Come on!」という呼びかけに合わせ、自然と身体を揺らしたくなるビートが会場を包む。動と静をうまく使いわけ、少しの緊張感を保つ会場の雰囲気を彼女たちのペースへと染め上げていく。
バックスクリーンに映し出される映像も相まってノスタルジックな雰囲気で始まった“Jetta”では、夕暮れから夜へと移ろうWHITE STAGEを美しく彩っていく。ギターのどこか懐かしいリフにシンガロングも起こりつつ、それでいて少ない音数でありながらも徐々に空間を温めていき、はじけるような4つ打ちが鳴れば会場にいる観客たちは思い思いに身体を揺らす。途中、3人で肩を揺らしながらシンセサイザーを楽しそうにいじる様子が印象に残る。

ゆったりと語りかけるような歌声と寄り添うようなギターのサウンドが印象に残る“Engine”、Samphaの繊細でスモーキーな声が響き渡った“Senses”。そして、自殺という内省的なテーマを抱えながらも、“Beams”ではきらめくキーボードが楽曲に彩りを添え、閉じていた空間をゆっくりと開いていく。
静寂に包まれるなかでパーカッション、ベース、ピアノの3音とリバーヴの効いた豊かな歌声を聞かせた“Black Dog”、しなやかなシンガロングの起きた“Caroline”。彼女の楽曲は、テンポに頼って熱量を上げることはない。ゆったりした質感のなかでもさまざまな表情を見せる彼女の歌声は決して飽きることはなく、時間が許す限り聴き入っていたくなる。

ベースとピアノが一音ずつステージに落としていくような“Softly”では、パークスが全身で歌い、より彼女の強いエネルギーを感じられる一曲。少しテンポを上げて“Get Go”では、ダンスミュージックのなかにどこか哀愁を漂わせている。ダンスや音楽が一時的にでも心を癒し、新しい希望に出会う瞬間を描いているが、まさに彼女の音楽やステージがその象徴のようにも映る。続く“Devotion”、“2SIDED”と、心地よいキックと開放感すら覚える音楽、あくまで主役の美しい歌声が鮮やかに鳴り響いている。
ラストの“Floette”では、ローファイでどこかドリーミーなサウンドに丁寧に歌い上げるパークスの囁きが、このステージを終着点へと向かわせる。これまでの彼女の楽曲のテーマは内省やメランコリーが中心であったが、4月にリリースされたばかりの『Ambiguous Desire』で希望を見出した彼女。穏やかな空気に包まれたWHITE STAGEには、彼女が新たに見出した希望が確かに映し出されていた。

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7/24 FRIWHITE STAGE