LIVE REPORT - WHITE STAGE 7/25 SAT
XG
フジロックに仕掛けたXGの勝負。人が見せつけた唯一無二の世界
まず目を奪われたのは、廃工場を彷彿とさせる巨大なセット。要塞のように組み上げられたステージにはバックバンドもスタンバイしており、いつものXGとはひと味違うライブになることを予感させた。おなじみのXGコールと遠吠えが響き渡るなか、定刻ぴったりに7人がWHITE STAGEへ姿を現すと、大歓声が湧き起こる。フジロックでのXGが特別なステージにならないはずがない。身動きもままならないほど埋め尽くされた観客の多さが、その期待の大きさを何より物語っていた。
それぞれのアカペラからスタート。7人はブラックのパンクスのような衣装を身にまとっている。そして「FUJIROCK、Ready?」で歓声が起きれば、“WOKE UP”で会場のボルテージを一気に引き上げる。次々と形を変えるフォーメーションが視線を奪いながらも、強烈なラップが畳みかけていく。ライブバンドの重厚なサウンドとぶつかり合うことで、そのアグレッシブさは音源以上の迫力を放っていた。
“GRL GVNG”、“UNDEFEATED”では、その勢いを更に加速させる。階段を備えた2段構造のセットを巧みに使い、上下に広がるフォーメーションが新鮮な印象を与える。複雑なダンスを軽々しくこなしながらも、ひとりひとりの個性が失われることはない。顔色ひとつ変えることなく飄々とステージを舞い、場の空気を掌握しているようだった。
“ROCK THE BOAT”では軽やかなグルーヴで観客との距離を縮め、“PSYCHIC 118”ではJURIN、COCONA、MAYA、HARVEYの4人のラップラインがストイックな空気を生み出す。そして7人が再集結した“GALA”では、その緊張感を一気に解き放つようなダンスパフォーマンが披露される。ステージに広がるダイナミックなフォーメーションに、会場からはひと際大きな歓声が上がった。
続く“SOMETHING AIN’T RIGHT”は、4つ打ちのビートと重低音が身体を揺らすダンスナンバー。生演奏によって楽曲の印象が変わることは多々あるが、この曲はまさにその好例と言えるだろう。バンドサウンドによってさらに厚みを増したグルーヴを全身で浴びながら、思わず身を委ねたくなる心地よさがあった。
そして、彼女たちが時折見せる(いい意味で)等身大の姿を感じさせるMCを挟み、タイトル通り観客を惹き込むようなパフォーマンスを披露した“HYPNOTIZE”へ。ステージ上では完璧なパフォーマンスを見せる7人だが、ふとした瞬間に見せる親しみやすさもまた、彼女たちの大きな魅力なのだろう。
浮遊感のあるグルーヴに合わせてしなやかなダンスで魅せた“IYKYK”に続き、“4 SEASONS”では、JURIA、CHISA、HINATAの3人がステージを彩る。力強いラップや激しいパフォーマンスで魅せてきたこれまでとは一転、3人の透明感のある歌声が会場に広がっていく。それぞれの個性を持った声が重なり合う瞬間には、XGの音楽的な奥行きを感じさせられた。
“IS THIS LOVE”では、7人がそれぞれ赤いバラを1本ずつ手に持って登場。ステージに広がる赤が楽曲の持つロマンティックな空気を引き立てる。ラスト、COCONAを中心にメンバーが円を描くと、舞い落ちる花びらとともに幻想的な光景が生まれた。“LEFT RIGHT”では、左右へ揺れる振付が楽曲と重なる。7人が同じタイミングで身体を動かすたび、その一体感が視覚的な快感へと変わっていく。宇宙空間を漂うようなサウンドも相まって、WHITE STAGEに無重力のような心地よさを生み出していた。
これまで以上にバンドサウンドの魅力が詰まった“ORB”、そしてラストは“SHOOTHING STAR” 。7人全員がマイクスタンドを手に、最後の一瞬まで力を緩めることなくパフォーマンスを届ける。鋭いラップ、力強いボーカルに、息の合ったダンスは期待を遥か大きく上回る。圧倒的な存在感がぶつかり合い、まさにXGの真骨頂とも言えるステージでWHITE STAGEを締めくくった。
