FUJIROCK EXPRESS '26

LIVE REPORT - WHITE STAGE 7/26 SUN

GRAPEVINE

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Posted on 2026.7.27 00:38

積み重ねた年月は、音楽になる。

SEはなし。ステージに颯爽とメンバーが集まったと思えば、田中和将(Vo&Gt)の手にはビールが2缶。「ハロー、ジャパン!」と威勢のよい挨拶のあとは、“EVIL EYE”。「待ってました!」と言わんばかりに温かなハンズクラップが自然と広がっていく。気負うことなく鳴らされるギターのリフに重心の低いサウンド。田中のシャウトも見事に差し込まれる。それだけで、会場の空気を掌握してしまう。
亀井亨(Dr)が叩き出す重心の低いビートが印象に残る“ねずみ浄土”。派手に手数で魅せるのではなく、一打一打の重みで楽曲全体に独特のグルーヴを生み出していく。そういえば、前回2022年のフジロックでも演奏された1曲で、その精巧なリズムには息を飲んだ。しかし、4年経過した今、それぞれが余裕を持ち、曲に少しずつ遊びを加えて、楽曲として新たな表情を見せる。足を運び、目の前の演奏を実際に見る意味があると思った。一音ずつ鳴らされる音、重なり合うコーラス。どうしたってゆったりと聞き入ってしまう。

「雨が止んだからチルい曲やりますね」というMCのあとは、“風待ち”。耳なじみのいいギターの西川弘剛(Guitar)の サウンド、どこか懐かさを覚えながらも開放感のあるサビが心地よい。2001年リリースのはずで本人はタバコだって酒だって好きなのに、音源とまったく変わらぬ田中の乾いた歌声。決して、感情を大げさにぶつけることない。それなのに、言葉がひとつずつ、じんわりと胸に沁み込んでくる。ビールをグイっと一気飲みしたあとの、“光について”の流れもたまらない。いつ、どこで聴いても涙腺を刺激されてしまう。会場全体が、息を飲むように聴き入っているのがわかる。色褪せることなく20年以上歌われ続けてきた曲が如何に愛されているかが場の空気感で理解できる。
続く“Gifted”ではリバーヴをたっぷりとまとった田中の歌声が、WHITE STAGEに広がっていく。気迫あるシャウトを交えながら歌い上げる姿からは、このステージにかける思いが伝わってくるようでもあった。高野勲(Key)が鮮やかに彩りを添えながら、重厚なバンドサウンドに浮遊感を生み出していた。

この日の“CORE”も鬼気迫るものがあった。それぞれのサウンドが一寸も狂うことなく、まるで精密機械が駆動するような緊張感をステージが支配する。金戸覚(Bass)の激しくうねるベースの重低音が推進力を持つ。全員の出す音が渦のようになって、攻めてくるような時間。それでいて、田中のギターは歌の伴奏に留まらない。鋭く、的確にフレーズを差し込み、バンドそのものを悠々と牽引している姿を眺めていると、彼が優れたギタリストであることを、改めて認識せざるを得なかった。
“my love,my guys”は、Neil Youngの“keep on rockin in the free world”をオマージュした一曲。「希望の国のふりは やばいぜ」という一節をフジロックのステージで歌う意義を、意味を考えてしまう。
ラストは、ブルースハープの音色が高らかに響き渡る“天使ちゃん”。最新アルバムからの一曲で終わるのも彼ららしい。“my love,my guys”では「おまえらうざい」、“天使ちゃん”は「あざす」で始まるわけで、配信も含めて初めてGRAPEVINEを見る人は一体どう思うんだろうか……なんて思ってしまう。スタンドマイクを持ちながらステージを歩き回き、ブルースハープの哀愁漂う音色と田中の飾り気のない歌声が溶け合い、どこかブルージーな雰囲気をまとわせる。

やっぱり、フジロックのライブは特別なのだと思う。気取ることはないが、一切の妥協を感じさせない演奏を50分間貫いたGRAPEVINE。偶然かどうかはわからないけれど、演奏が終わったのも15:10ぴったりで、思わず息を飲んでしまった。20年以上積み上げてきたキャリアは、決して貫禄だけで語れるはずがない。活動を止めることなく、コンスタントに新譜をリリースしライブを行う。積み重ねてきた年月が音となって鳴り響くような演奏は、深い余韻を残していった。

[写真:全6枚]

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7/26 SUNWHITE STAGEXSUMI