FUJIROCK EXPRESS '26

LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/25 SAT

THURSTON MOORE GROUP

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Posted on 2026.7.25 22:17

ギターにしか作れない脳内物質誘発サウンドはここにある

結局、ギターってどう弾いてもいいのだ。だが、今まで存在してなかった世界を無から築ける集中力と変態性がなければ音楽にはならない。そんなことをTHURSTON MOOREのライブで頭を軽く殴られる心地と共に味わってしまった。オルタナの始祖、世界で最もジャズマスターを普及させた男(J.マスキスと双璧かもしれないが)、何よりソニック・ユースの頭脳である。ちなみに今日は68歳の誕生日だそう。THURSTON MOORE GROUPとしての来日は2017年以来。ソニック・ユースとしては1998年、2000年、2006年に出演し当時のロックシーンに不可欠な存在だったことがわかる。

同グループとしては今年、韓国のフェスに出演するなど精力的に活動中。そのモードでの来日だ。メンバーはDevon Ross (Ba) 、Alex Ward(Gt/Cl )、Steve Shelley (Dr)。言わずもがなSteveはソニック・ユースのメンバーでもある。特段演出もなく薄暗いステージに現れた4人はそこからチューニングを始める。THURSTONは譜面をセットリスト順に並び替えているようだ。いい。このマイペース。が、音を出す瞬間のタイミングが超ソリッド。ツインギターのリフが頭の中のノイズを一掃する“HASHISH”でスタート。端正な8ビートも相まって反復するリフと共に早くもトランス状態に。ゴキゲンなTHURSTONは「サンキュー!」とストレートな謝意を述べるとフロント3人がフィードバックノイズの嵐を巻き起こすインスト“SIREN”。冗長さは一切なく、ジャストなタイミングでメインテーマに戻る覚醒感も心地よい。途中、ラモーンズのカバー“I DON’T WANNA GO DOWN TO BASEMENT”でNYパンクを実在させる場面も。懐かしさやお馴染みのかんは全くない、今ここにいる4人が鳴らすそれ、という意味で。

クラリネットとギターだけで1セクション進行する“SANS LIMITES”はミニマルミュージックっぽい印象で、ドラム&ベースレスなのだが、特にDevonはその間、佇んでいるだけというのもオルタナというかNYパンクのアティチュードが現前したようで、これは真似できるもんじゃない。トランシーな流れから、メタリックでザクザクした質感のリフに変化したのは“CANTALOUPE”。バカみたいな物言いだが、この音はDAWでは作れない。ギターとエフェクターでしか作れない音が脳内物質を溢れ出す証拠をリアルに聴いているといえばいいだろうか。気づけばTHURSTONの赤いウエスタンシャツは色が変わるほど汗びっしょりだ。金属質のリフがドラッギーなアンサンブルを作り上げていく。特に説明はなかったが、ヴェルベッツの“TEMPTATION INSIDE YOUR HEART”のカバーを超えたカバーを終えると、「We Love You!」とストレートな愛を言葉にしてスタート時よりさらにご機嫌のTHURSTON。ソニック・ユース時代はもっと寡黙なイメージだったが、人柄はオープンにサウンドはもはや彼の一部のように変わらない。

オンステージのまま、もう1曲やろうか?と問いかけて“SPEAK TO THE WILD”をプレイ。凶暴なギターサウンドをフレットと弦の間にドラムスティックを捩じ込んで鳴らしたり、もはや肉体化した楽器の在り方を見せる。この音とアンサンブルでしか解消されない焦燥がきっとここに集まったオーディエンスにはあっただろう。代替不可能なバンドサウンドに満足しきった個々人がレッドマーキーを後にした。

ちなみにガチなオルタナファンが集結したであろう確信は彼らが着ていたバンドTにも明らかで、ざっと確認できただけでもジョイ・ディビジョン、ピクシーズ、ソニック・ユース、さらにはスロっビング・グリッスル。濃いオーディエンスだった。

《Setlist》
HASHISH
SIREN
I DON’T WANNA GO DOWN TO BASEMENT(Ramones cover)
SANS LIMITES
CANTALOUPE
APHRODITE
TEMPTATION INSIDE YOUR HEART(Velvet Underground cover)

en
SPEAK TO THE WILD

[写真:全10枚]

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7/25 SATRED MARQUEEXSUMI