LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/25 SAT
QUADECA
Posted on 2026.7.25 15:22
静寂と轟音の共存。音源では見えない”激情”がステージを支配する
簡単なサウンドチェックを終えると、サポートメンバーの3人を引き連れてQuadecaが登場する。すでに楽器の並んでいるステージを見ると、今日はバンドセット。期待値も上がっていく。1曲目は、“Dark Magic”。音源から感じられるスロウな質感はそのままに、ドラムの重低音とギターの轟音とともに濁流のように押し寄せるリバーヴの重ねられたボーカルは、まるで違った表情を見せる。次の“DUST CUTTER”でも、サビでは爆発するかのように全身を使ってエネルギッシュに歌うQuadeca。どの楽曲も内省的で、どこかメランコリックな雰囲気を持っている。だからこそ、その世界観を壊すことなく、全身を使って感情を解き放つように歌うQuadecaの姿は新鮮ですらあった。
“tell me a joke”では、中盤で前方中央を開けさせ、ウォール・オブ・デスを試みるも、残念ながら不発に終わる一幕もあった。それでも、ドリーミーでありながら轟音が全身を心地よく包み込み、会場をQuadecaの世界へと引き込んでいく。続く“GOD STAINED”、“PRETTY PRIVILEGE”では、重厚なバンドサウンドに繊細なメロディが重なり合い、そのコントラストがより鮮やかに浮かび上がる。
彼の楽曲では珍しくビートが前に出ている新曲“Hell of a Time”では、観客たちにサビのシンガロングをレクチャー。これまで閉じていたようにも感じられた彼の音楽が、一気に観客のものへと変わっていく瞬間だった。続く“EVEN IF I TRIED”は、やはり原曲では想像できないくらいのシャウト、ステージを縦横無尽に駆け回るサポートギターの姿にはパンクにも通じる剥き出しの衝動が感じられた。
まさに何かが始まる予感のさせる“MONDAY”ではハンドクラップが起こり、下方からの緩やかなブルーの照明が美しく光る“born yesterday”では、Quadecaの透明感を覚える裏声が膨らむように会場に響き渡る。
最後は、“GUIDE DOG”、“Baby steps”とじっくり聞かせる2曲が続く。温かみの感じられるアコースティックギターのサウンドを軸に、幾重にも重なるコーラスが静かに会場を包み、これまでの轟音が嘘のような穏やかな空気が流れていく。ラップ、フォーク、エレクトロニカ、ポストロックを横断し、それらをQuadecaというひとつの表現へと昇華させたステージ。話題になっていると噂には聞いていたけれど、想像以上だったかもしれない。いい意味でまだ進化の途中にあることを感じさせながらも、その唯一無二の世界観を鮮烈に焼き付けた、圧巻のライブだった。
[写真:全10枚]









