LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/26 SUN
AMERICAN FOOTBALL
Posted on 2026.7.26 23:52
アメフトの今を噛みしめる
1枚のアルバムが大きな広がりを見せ、バンドを再び動かし、新しい楽曲が生まれる。ごくごく当たり前のことだが、アメフトの場合はその意味が、重みが大きく違う。デビュー25周年を迎え、来日公演は大盛況。新作も発売され、久々のフジロックは開始前からかなりの人々で溢れていた。
前回のフジロックも、来日公演も観れていない私も、いよいよアメフトを観る。“Never Meant”の幻影を追ってレッドマーキーまで来たけれど、思いの外新作『American Football(LP4)』中心のセットリストが素晴らしく、今のアメフトにやられてしまった。冒頭“Patron Saint Of Pale”で叙情的なサックスが会場をこだまし、空気がすっと入れ替わる予感がした。VJは赤い背景の森が写され、どっしりとしたリズム隊が歩みを進めていく。赤い夕日のような風景が映し出したのは、“Blood On My Blood”だった。トリッキーなベースラインに乗る眩しいギターメロ。7人編成のダイナミクスを感じる。
“Wake Her Up”は特に素晴らしく、みずみずしいヴォーカルとセンチなギターの重なり、高音のコーラスが夏の1ページを想起させる。今夏はこの曲をテーマソングにいきたい。水面が揺れているような映像を見ながら、私たちも体を揺らしていた。“Home Is Where the Haunt Is”の森羅万象的な世界観に圧倒されると、歓声が上がる中“Honestly”へ。音源よりもパンキッシュな仕上がりで、中盤から爆発的に盛り上がる。ハウリングも心地よく、体が振動で震える。“Never Meant”はあのアルペジオとともに低音が空間を充満し、あらゆる音の輪郭が溶けていく。歌い出す人も静かに耳を傾ける人もいて、皆その時をしっかり噛み締めていた。
切実で儚い歌声を見せた“No Feeling”に続き、最後は“Bad Moons”で締めた。ゆっくり月が上がり、沈んでいくVJに合わせてドリーミングなサウンドが会場を包む。屋根と雨で見えないはずの星空が目に浮かぶ。終盤はジャズセッションのような展開を見せ、レッドマーキーの夜はドラマチックに更けていった。
アメフトの今をくっきりと映し出し、メロディの美しさは今なお健在で、それがさらに強まっていることを意識させられるライブだった。
[写真:全10枚]









