FUJIROCK EXPRESS '26

LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/24 FRI

CHAPPO

  • CHAPPO

Posted on 2026.7.24 19:09

運命導かれるままに

フジロック1日目。テレビ大陸音頭がレッドマーキーのオープンニングを飾っているまさにそのあと、フィールド・オブ・ヘブンでは、福原音(Vo,Gt)と細野悠太(Ba)によるCHAPPOがステージのはじまりを告げた。

突然細野家の事務所に突撃してきた福原音と、彼を経由して自らの祖父をより知ることとなる細野悠太。サポートメンバーには小山田米呂もいる。悠太の祖父である細野晴臣はもちろん、カクバリズム角張渉に導かれるようにして始まった音楽活動のあゆみは、とてもドラマチックだ。血とか才能とかそういう言葉はあまり使いたくないけれど、逃れられないそういうものはベースとして必ずはあって、単純に私たちにはないものだからすごいと思う。そこにさらに探求を重ねたであろう結果の音と佇まいが、年上の私にはずいぶんと大人に感じていた。
ダボついたピンクのスーツを着こなした福原と、Tシャツとロングパンツで現れた細野のギャップは不器用にも見えるがおしゃれで、サポートメンバーである山本直親(Dr)、森飛鳥(Pedal Steel)、小山田(Gt)の3名は瞳の奥にあどけなさがあり、大人と子どもの中間のような不思議なメンバーたちだと思った。

“コンボ!!!!!!!!!!”では、金曜日だからか“#1090 〜Thousand Dreams〜”(※「ミュージックステーション」のテーマ)のようなフレーズを挟み混みつつ、急発進と急停止を繰り返し、不思議なドライブに乗せられている気分だ。そのダンサブルなグルーヴは、途中でドラムがストンと抜け落ちるのが特徴で、それが心地よい。森と小山田が加わって始まる“ふきだし”のぐうたらなリズムからスペイシーな空間へ飛ばされる、その飛躍力に驚かされる。台本はあっても即興性が高く、私たちはどの方向に連れていかれるのかはよくわからない。

“AIWO”や“ありきたり”といった歌ものも続き、ふたりの息はさらに重なり合っていく。このバンドは福原と細野の対話である。メンバーからどんなすごい音が鳴っていても頭ひとつ抜ける福原の音の存在感と、底からそっと支える細野の音の佇まい。これがCHAPPOなんだと思った。

インストバンドではあるのだが、日本の歌謡曲や夕方の食卓の匂い、文化の奥ゆかしさなどを内包した音の空気はインストだけにしておくのはもったいなく、歌がのってさらに完成する楽曲も多いのだろうと思った。SAKEROCKやYOUR SONG IS GOOD、思い出野郎Aチームなどを思わせる推進力のあるサウンド、確かな演奏力を感じ、やっぱりカクバリズム入りは必然だったんじゃないかとしか思えない。MCでは、「表に出ず練習を重ねていた時代に、同世代の活躍を見てきた」というような内容を話しており、ここまでの苦労を感じさせるエピソードもあった。そして最後に演奏された”スタンダード”は、彼らの今を表明するような1曲だった。不思議な縁と血と才能と人脈と、導かれるままに繋がった運命が、ここフジロックまで届いた。これからの彼らのストーリーはどのように進んでいくのか、行き先の予想がつかないドライブは始まったばかりだ。

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7/24 FRIFIELD OF HEAVEN