岡林信康

Field of Heaven | 2011/07/30 20:48 UP
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踊ることこそ、生きるパワー

昨年、DVDで発売された中津川フォークジャンボリーの記録映像での、はっぴいえんどをバックに従え「私たちの望むものは」を熱唱する彼の演奏姿が印象深く脳裏にこびりついていた。フォークのアンダーグラウンドなシーンが盛り上がり、彼が「フォークの神様」と若者から熱狂的な支持を受けていた頃から40年が経った今、彼は過去の名曲をなぞるのだろうか? 往年のファンの顔がほころぶだけの、懐メロのオンパレードと化すのだろうか? 見る前になんやら色々予想を立てていたのだが。

開演時間になると、笛と太鼓で出囃子が鳴り、一瞬「ステージを間違えたかもしれない」と思うほど、想像とは異色な音がヘブンの空に舞ったのだった。続々と演奏メンバーが登場し、岡林が登場すると歓声が上がった。1曲目は美空ひばりの「お祭りマンボ」のカバー、構えていた気持ちが拍子抜けした。「どうも菅直人でーす。」とおちゃらけた第一声に和やかな笑いが起こった。ヘブンを見渡した岡林は「そこで焼きそば食べとるやつ!こっちへこい!」と会場の後ろまで巻き込んだ。続く「スチャラカ」では手拍子を扇ぎ、エンヤトットを披露。

「まだやきそば食っとるバカ、こっちへこい!」と、ヘブンに居合わせた人たちを同じ空間へと取り込む。「手を前にして打つ。これをやればいろんなものがよみがえってくる。」イスタンブールの漁師の歌だという「虹の舟唄」では、「エンヤモラー」「エンヤロサー」と歌い手と観客との楽しい掛け合いが繰り広げられた。「日本に今必要なのは火事場のクソ力なのだ!」彼を知ってか知らずか、祭りのリズムに吸い寄せられ、いつの間にかステージを囲み、踊る人たちの層が膨れ上がっていることに気づく。

日本民謡のリズムこそがロックだという岡林の近年の音楽は、往年のファンからしたら素直に受け入れられないものなのかもしれない。しかし、かつて生きる自由を求め、歌ったフォークの神様はこのステージに集まる老若男女に踊る自由を与えた。「かくして私たちの船は沈んでいきました。・・・しかし、それは(沈んだ底から)浮かび上がるためなのだ。」踊る阿呆は世の中を動かす。そんなメッセージが演奏から伝わってきた。津軽三味線と尺八の見事な競演で盛り上がった「あらえっさっさ」や「今夜は朝まで踊りましょ」を披露し、演奏はラストを迎えた。


写真:花房浩一
文:千葉原宏美
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