FUJIROCK EXPRESS '22

LIVE REPORTGREEN STAGE7/31 SUN

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Photo by 北村勇祐 Text by あたそ

Posted on 2022.7.31 13:16

ピンチをチャンスに。”3人”で見せる今日だけの特別なステージ

あっという間に過ぎゆくフジロック最終日のトップバッターを飾るのは、go!go!vanillas。残念ながら体調不良が原因で柳沢進太郎(g)の出演は叶わなかったが、サポートメンバーを含む6人で円陣を組み、気合いは十分。

爽やかなコーラスとアコースティックギターのメロディ。エモーショナルな牧 達弥(vo/g)の歌声に、バイオリンとキーボードの音色がよく似合う。観客のハンドクラップに合わせて加速していくように始まった1曲目は、“RUN RUN RUN”。掛け合いのようなサポートメンバーとのやりとりはカントリーっぽさを感じ、フェスらしさを覚えながらもバニラズの新たな一面を見ることができた。“LIFE IS BEAUTIFUL”では、飛び跳ねたくなるような音とバイオリンの音がマッチし、ピースフルな雰囲気が広いグリーンステージによく似合っている。一秒一秒を余すことなく楽しもうとするメンバーたちの姿もうれしい。正直にいうと、心配ではあった。仕方のないことではあるけれど、前日に柳沢の不在とサポートメンバーを入れての出演が発表され、本当に大丈夫なんだろうか?そんなことを考えてしまっていたけれど、ステージで鳴らされる音を聴いていると、まったくの杞憂であった。

挨拶とサポートメンバーの紹介を終えたあとは、長谷川プリティ敬祐(ba)が会場全体を盛り上げる。次の“エマ”に合わせ、観客たちがE・M・Aの文字を身体で作る。こういうところもバニラズのライブが愛される理由のひとつなのではないだろうか。ジェットセイヤ(dr)と長谷川の骨のあるリズムに軽快なメロディが混ざり合い、飛び跳ねずにはいられない。ただでさえ暑かったはずなのに、滝の如く流れる汗がバニラズの音楽によって絞り取られていく。

フジロックに強い思い入れのあるミュージシャンは多い。牧もそのひとりだったようで、10年前・大学生の頃に見たフジロックでの思い出や「いつかこのステージに立てたらな、と思っていました。今日、立ってるよ!」という喜びを報告してくれた。
「ギターはいないけれど、進太郎の魂はここにあると思うので!」と、3人(+1人)で演奏が始まったのは、牧が大学生の頃に作ったという“アクロス ザ ユニバーシティ”。お客さんとしてステージを見ていたひとりのミュージシャンがたった10年でこの広いステージに登り詰め、昔の曲を演奏する。粋な選曲だ。ファンにはたまらない、彼らの長いようで短い歴史を感じられるシーンでもあった。

背後をジェットセイヤと長谷川に預けてハンドマイクに持ち替えた牧が会場の隅までを楽しませてくれた“サイシンサイコウ”、キーボードがスパイスになって感情をむき出しにした“倫敦”と、もっとずっとヒートアップさせていく。

トランぺットが高らかに響き、「フジロックの未来に」「フジロッカーの未来に」という今日だけの特別な歌詞が嬉しい“アメイジングレース”のあとは、“平成ペイン”。ステージ前方は、あのお決まりのダンスを踊る人の姿が多く見られ、バニラズのライブは本人たちだけではなくてお客さんがいてこそ完成されるのかな、そんな風に感じられた瞬間であった。

ハンドクラップのあと最後に演奏されたのは、騒ぐにはぴったりの“マジック”。ピンチをチャンスに変え、今まで知らなかった一面を見せ、楽しさ以外の感情を吹き飛ばしてしまう空間だった。あっと言う間の45分。全然物足りないし、踊り足りないよ!!!そんな風に思う観客たちからは惜しみのない大きな拍手が送られた。

[写真:全10枚]

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7/31 SUNGREEN STAGE