FUJIROCK EXPRESS '22

LIVE REPORTWHITE STAGE7/30 SAT

Fire EX.

  • Fire EX.
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Photo by 平川啓子 Text by イケダノブユキ

Posted on 2022.7.30 15:13

台湾から伝えたいものがある

ラストの曲“希望の明日”を歌うときの楊大正 (Sam)の表情がスクリーンに映しだされると感極まっているようにみえた。そして堂々と「希望の明日」について歌う。初めてのフジロック出演に感激し、素直に気持ちを伝える、歌い終わりみんなに感謝を述べる。まっすぐな音楽にまっすぐな姿勢。それがうらやましいと思えるくらいである。

台湾のパンクシーンを引っ張るFire EX. (滅火器)についてfujirockers org.では出演前のバンドに意気込みを聞いたので読んでもらいたい。さらに事前にTwitter上で「フジロックで演奏してほしい曲」を募集していたように日本のファンとも積極的にコミュニケーションを取っていた。

【FRF’22 Pickup vol.9】台湾からフジロックにやってくる2つのバンド、Elephant GymとFire EX. インタビュー

そしてスタート時間12時30分にホワイトステージで“無名英雄”のイントロが鳴り響き、それに合わせてバンドも登場。そして“無名英雄”の演奏に入っていった。ステージ背後のスクリーンにはAIR JAMのアートワークを連想させる「Fire EX. (滅火器)」のイラストが大きく映しだされている。続く“残像モーション”はHUSKING BEEの磯部とコラボレーションした曲。勢いがある。“基隆路”もそれを引き継いで盛り上げていく。こうしたストレートにぶつけていくロックをかつて聴いていたような思いが湧き上がってくる。“Don’t You Fight”はELLEGARDENとのコラボ曲で細美のパートをギターの鄭宇辰(ORio)が歌う。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤とコラボした“The Light”はSamが3年前にだしたアルバム『無名英雄』の中で「大事な曲」であるという。ライヴでは後藤の声は録音されたものが使用されながら、Samが歌う日本語も違和感なく届いてくる。バンドのアンセムである“島嶼天光”も力強く感動的に響く。最後のパートを日本語詞で歌う。ラブソング“12月的你”を挟んで、“おやすみ台湾”を演奏するときにOAU/BRAHMANのTOSHI-LOWが登場し歌う。これまでコラボ曲を演奏するけど、誰かゲストで来ないかなぁと思っていたら、一番のサプライズ、だけど昨日からの流れをみると一番納得する人が一緒にステージに立ったのだ。力強く美しいバラードをTOSHI-LOWが歌い終わるとTOSHI-LOWは「2014年(台湾の)学生は国会を占拠しました。賛否はあるかと思いますが、何日も家に帰れない学生はFIRE EX.の曲を歌っていました。これ(ひまわり革命と呼ばれる台湾の学生運動)がなかったら台湾は今の香港のようになってたかもしれません。俺はそんな台湾をずっと応援します」と話す。それを聞くSamの表情が本当によかった。音楽で伝えるものがある、伝わるものがある。

そして“繼續向前行”で再び勢いをつけて、ラストの“希望の明日”につながっていったのであった。Samは「台日友好」と書いてある帽子をかぶって歌う。初めてのフジロック、たぶん配信を観ている人も含めてみんなこのバンドを大好きになったと思う。また出演してくれることを終わった瞬間から願いはじめている。

<セットリスト>

無名英雄
残像モーション
基隆路
Don’t You Fight
百年追求
雙城記
The Light
島嶼天光
12月的你
おやすみ台湾
繼續向前行
希望の明日

[写真:全10枚]

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7/30 SATWHITE STAGE