FUJIROCK EXPRESS '22

LIVE REPORTWHITE STAGE7/31 SUN

SUPERORGANISM

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Photo by suguta Text by 若林修平

Posted on 2022.7.31 19:31

ホワイト・ステージがワールド・ワイド・ポップなステージになった瞬間

スーパーオーガニズムが新体制での新作『World Wide Pop』を提げ、苗場に4年ぶりに帰ってきた。前回のフジロックでのライブは2018年のレッド・マーキー。入場規制がかけられたあのステージで見られたのは、彼女たちらしさ爆発の奔放なステージだった。あの時はオロノ曰く「すっげぇキレてた(怒ってたという意味)」。日本が嫌いで海外に出たのに日本で売れてしまったというジレンマと、パンパンに膨れ上がった観客の中に“クソジジイ”が目の前に突っ立ってたせいで(?)キレてたという。今年もまたキレないといいんだけど…そんな心配をしながら開演を待っていた。そして、もうひとつ気になったのがステージ上に置かれているソファーだ。ドラムセットが置かれている台の前と横に2人掛けのソファー1台と1人掛けのソファー2台がそれぞれ置かれている。つい「なにあれ??」と口走ってしまいそうになったのをグッと堪えていたところで開演時刻を迎えた。

“Black Hole Baby”のイントロが流れる中、5人組となった新生スーパーオーガニズムのメンバーが登場した。ステージ向かって左から、B(Background Vo./Background Dancer)、ハリー(g)、オロノ、トゥーカン(ds)、ソウル(Key / Background Vo / Background Dancer)。各々が自分のポジションに並び立つと、間もなくホワイトに鳴り響いたのは「スーーパーオーガニーズムー♪これはおいしいー!」というCHAIによるサンプリング・ボイス。その音を号令に、ライブは“World Wide Pop”からスタートした。ポップなグルーヴと中毒性のあるフレーズの繰り返しがたまらないこの曲で踊り続けるオーディエンス。ソウルの「ハロー、フジロック!戻ってきたよ!」という歓喜の叫びと共に始まった次の曲はユーモアに満ちた歌詞とへなちょこサウンドが対照的な“The Prawn Song”だ。Bとソウルのキュートなダンスに、気だるそうに歌ういつも通りのオロノ。続くパートでは、“Back Hole Baby”、“Into The Sun”、“It’s All Good”とシームレスに繋がっていく。“It’s All Good”では、端にあったカメラに向かってダッシュしてポーズをキメるオロノ、にこやかに手を振りながら踊るBとソウル、コーラスパートで両手突き上げるオーディエンス、各々が終始盛り上がっていた。さらに“Put Down Your Phone”では、オロノがアコギを手に取りラップ気味に歌い、歌の途中では「4年ぶりだぜフジロック!(英語)」と嬉しさを表現。次の曲“Sprorgnsm”でもオロノは「スーパーオーガニズムー!(日本語)」と叫んでいたし、これは完全にご機嫌モードだ。

ライブも中盤。次の曲が始まるまでの待ち時間に男性スタッフがサックス(オロノが曲で使う)を持ってきたのだが、サックスをオロノに渡し、ステージ袖へ戻ろうとした瞬間オロノに呼び止められ、半ば強制的にソファーに座らせられた。「ソファーはそこで使うのか!?」と心の中でツッコんでいる中、“Flying”はスタート。速いBPMのビートが効いたデジタルロック的なサウンドは強烈にポップでオーディエンスはそれに合わせ思いっきり踊っていた。そして、曲もラストに近づいていくと、オロノはソファーに座らせていた男性スタッフを呼び込み、サックスの音が鳴るベル部分にマイクを向けさせ、鳴る音を拾わせた。もう、彼らの発想はもはや常人には理解し難い。

最後のセクション前のMC、オロノが来年の来日単独公演を発表するとオーディエンスは大歓喜。そこですかさず「詳しくはwearesuperorganism.comを見てくれ」とオチをつけてくるあたりがさすがオロノだ。スーパーオーガニズムの奔放なパフォーマンスが繰り広げられる中、クライマックスは最後に訪れた。明るくキャッチーなフックのある新たなアンセム“Teenager”ではホワイト・ステージが一体になって盛り上がり、ラスト“Something for Your M.I.N.D.”では、ステージ袖で見ていため組(新作国内盤収録のボートラで“Black Hale Baby”をカバー)の菅原達也(Vo./G.)をステージに呼び込み、さらには無作為(ただしバンドのTシャツを物販で買った人、もしくはハーモニカ吹ける人が優先される)に観客をステージに上げ、イギー・ポップのステージばりにカオスな空間の中、曲を演奏、大団円を迎えた。

ライブを終え、ステージを降りていく観客を1人ずつ話をして見送っていくオロノ。そんな彼女の姿を見て、思わず「大人になったなぁ」と感動してしまった。

[写真:全10枚]

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7/31 SUNWHITE STAGE