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FUJIROCK EXPRESS 2018

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LIVE REPORTRED MARQUEE7/28 SAT

SUPERORGANISM

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© Photo by アリモトシンヤ© Text by 石角友香

Posted on 2018.7.28 17:11

スーパー・ハイブリッド・バンドの奔放な価値観

裏に被りがなかったせいか、この最新のD.I.Y集団の本領を見届けたいのか、開演10分前にはすでにレッドマーキーは前へ進むも後退するも牛歩のごとき混みよう。しかも太陽が出ている時のレッドマーキーはサウナ状態だ。
そこに身長140センチ台と思しきフロントウーマンのOrono(Vo)を筆頭に多国籍なバックグラウンドをもつメンバーが登場。映像担当がいるだけに、曲ごとにMVでもおなじみのスペイシーだったり8bitのチープなゲーム感、猫の顔写真が大量に世界旅行するような、いわゆるクソコラっぽいビジュアルが投影されて、メンバーはどちらかというとシルエットとして動きがつかめる状態だ。

楽曲の構築センスはいわばヴェイパーウェイヴを通過して、ローや生楽器の部分はタフにリビルドした感じのゆるいエレクトロニックが基本だ。そこにシリアスな問題提起とか、バックボーンの違いからくる煩悶などは感じられず、どちらかといえば、Orono以外は無意識的に国境や言葉の壁を飛び越えて、ちょっと変なもの、可愛いもの、笑えるもの、つまりそれがあれば世の中の位相をちょっと変えられる、明るい武器を持っている感じなのだ。
あまりの混雑に遠目で映像を追いかけるのがやっとだったが、そんな中、Oronoのカタコトの日本語と英語が混ざった煽りはなかなかにパワフル。でもコール&レスポンスは「SUPER!」とOronoがいえば、オーディエンスが「ORGANISM!」と返すシンプルなもの。強い女の子とナードな男性陣、ダンサーも兼ねているコーラス隊と、言葉で表現するとちょっとFlaming Lipsを思わせる部分もなきにしもあらずだ。ただ、10年代ももう終わろうかという今、奇天烈なアイデアをセンスと価値観でつながれた遠くの知り合いから立ち上がったこのバンドは、根っからのデジタルネイティヴなのだろう。パソコンやゲームなどに対するビジュアルや音楽表現がどこかもうレトロなのだ。
生まれた時からすでに20世紀に描かれていた未来は古いものになっていた彼らにとって、様々な20世紀的なガジェットはキッチュという概念ですらないのかもしれない。古い価値観が崩れてしまった今、あらゆるモノやコトを並列してエディットされた音楽と映像が、どこかいい意味で間抜けな印象になるのが面白い。
それにしてもOronoは怒りからなのか、単に退屈な毎日を変えたいのか、何度も4レターワーズを発しながら、レッドマーキーをコントロールしていた。観客も様々な世代が見ていたのだが、父親に肩車された幼稚園生ぐらいの女の子がスマホで動画を撮っていたのが、このバンドが面白がられている理由の象徴的な場面に見えた。肩車の少女は、10代になったら何をするだろう?

[写真:全10枚]

#TAGS : 7/28 SATRED MARQUEE

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