FUJIROCK EXPRESS '22

LIVE REPORTRED MARQUEE7/31 SUN

MOGWAI

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Photo by 平川啓子 Text by イケダノブユキ

Posted on 2022.8.3 18:25

モグワイ22年ぶりのレッドマーキー帰還

モグワイ22年ぶりのレッドマーキーである。その間にもモグワイは何度もフジロックに来ているし、他のフェスにも来ているし、単独公演も多い。その間にノイズの大きさを競うのではなく、ノイズをどのように美しく感じさせるかという方向に変化/成長していった。エレクトリックギターのノイズを鳴らすという根本は変わらないにしても、それを基にピアノやシンセサイザーを導入したり、リズムのバラエティを豊かにしたりした。

22年前と場所も、屋根付きテントであることも変わらないレッドマーキーにたくさんの人たちが集まる。22年前のライヴは日本においてモグワイ伝説の始まりだったので、それを追体験した人たちによる期待が充満していた。

開演時間20時10分になるとメンバーたちが現れまずは”To the Bin My Friend, Tonight We Vacate Earth”でスタート。マスクをつけたまんまのBarry Burnsによるピアノの音色に導かれて、美しいノイズの方のモグワイが1曲目である。2曲目”I’m Jim Morrison, I’m Dead”もピアノのイントロから始まる。”Dry Fantasy”はピアノとシンセサイザーの音が印象的な曲…と続く。ギターを弾くStuart BraithwaiteのMCが明るい調子になってきたのが22年前との変化だろうか。何度も来日して日本に慣れてきている。

”Hunted by a Freak”でBarryはヴォーカルを取る。そのときに付けていたマスクを外す。ヴォーカルといってもオートチューンなのか音声を加工しているものだ。ヴォーカル入りの曲が増えていったのも22年前との違いだ。”How to Be a Werewolf”の軽快なリズムだったり、”Remurdered”の4つ打ちもバラエティが豊かになっていったということだ。サポートギタリストが加わって、Stuartだけでないギターの厚みがあるけれども、爆発的なノイズというより、押し寄せる波のようなノイズが聴ける。ライヴが進行していくにつれて一歩一歩ステップを上がっている感じだ。

そしてラストには、やはりこの曲”Mogwai Fear Satan”である。Barryもギターに加わり、さざ波のようなノイズから始まった。レッドマーキーを埋め尽くしたお客さんたちは、イントロで察知してたくさんの手が挙がる。そして1回目のノイズ爆発でフロアは手を挙げることによって歓喜の意を表し、その轟音を浴びる。一旦爆発は収まり、静謐なパートを経て2回目の爆発へ。ノイズがレッドマーキーの中で渦巻き、空気を震わせ、おそらくテントの外まで漏れ出して、苗場の空気をノイズ一色に塗り替えてしまった。音楽の3要素である、リズム、メロディ、ハーモニーを突き抜け、何が音楽で何が音楽でないのか轟音が特異点まで到達し、その境がわからなくなるところに快楽がある。それを知ってしまったレッドマーキーにいる人たちは、全身で喜びを表現していた。

Stuartは「シー・ユー・スーン」と何度かいっていたので、また観られる機会が日本であるのだろうか。去っていったバンドに対してお客さんたちはしばらくずっと拍手を送り続けたのであった。

Set List

To the Bin My Friend, Tonight We Vacate Earth
I’m Jim Morrison, I’m Dead
Dry Fantasy
Hunted by a Freak
How to Be a Werewolf
Ceiling Granny
Ritchie Sacramento
Drive the Nail
Remurdered
Mogwai Fear Satan

[写真:全9枚]

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7/31 SUNRED MARQUEE