LIVE REPORTGYPSY AVALON7/30 SAT
さらさ (band)
Photo by fujirockers.org Text by 若林修平
Posted on 2022.8.2 21:00
ブルースに生きろ!
初日のレッド・マーキー、マイケル カネコのステージに登場したさらさ。あのステージパフォーマンスを見て、アヴァロンまで足を運んだ人もきっと少なくないはずだ。さらさは湘南茅ヶ崎育ち、弱冠23歳のシンガーソングライターだ。「ブルージーに生きろ」をテーマにあらゆるネガティブな感情や出来事を作品として作り上げ、それらを肯定する。「ブルース」という若い世代には馴染みのない音楽は、彼女のフィルターを通すとどのように聴こえてくるのか?それを確認するために、僕はアヴァロンまで来た。
ブルージーな香り漂う“踊り”から始まったライブは、彼女の中にあるソウルが感じられる“温度”、アンニュイで浮遊感のあるヴォーカルが印象的な“JJJ”と続き、アヴァロンの空間をあっという間にさらさの色に染め上げていった。その世界観に浸るかの如く、アヴァロンに来ているオーディエンスは彼女の音楽に身を任せる。さらに、デビューシングルである“ネイルの島”、R&Bにダブの要素が織り込まれた“祈り”などを聴いていると、彼女の中にある“ブルース”というのは音楽の種類ではなくアティテュードなのだと改めて理解できた。すると、彼女の「ブルースに生きろ」というテーマはとても納得がいくし、これからの彼女の動きがより楽しみになったのは間違いない。
彼女のステージを見て思い出したのは、かつてのオレンジ・コートだった。世界中のあらゆる音楽ジャンルが聴けたあのステージだ。日本の音楽業界のメインストリームにあるのは即効性のあるポップ・ミュージックかもしれないが、彼女のようなアーティストがいてもいい…いやいた方が日本の音楽カルチャーは芳醇なものになるんじゃないか?そう純粋に思えたステージだった。
<セットリスト(さらさTwitterより引用)>
1.踊り
2.温度
3.JJJ
4.ネイルの島
5.祈り
6.朝
7.退屈
8.このまま
9.Amber
10.火をつけて
11.グレーゾーン