LIVE REPORTNAEBA SHOKUDO7/31 SUN
BREIMEN
ピンチを180°転換するミュージシャンシップ
キーボードの“だーいけ”こと、いけだゆうたが残念ながら新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受け、出演できなくなったことで、急遽、本来のセットリストとはガラッと変更してきたBREIMEN。苗場食堂にはミュージシャンとしてフレキシブルな彼らが何を見せてくれるのか?に期待して人が集まってくる。そんな中、自宅からだーいけがツイキャスの音声で「自分も何が起こるかわかりません」と、アナウンス。ステージ右手には大きな彼のパネルが飾られている。しかもライブ中、彼はツイキャスを続けていたようだ。
まずはインストセッションで各々のプレイヤビリティを自己紹介。高木祥太(Vo/Ba)が、バンド初の4人編成で、本来のBREIMENを見たかった人はまたどこかのライブに来てもらって、今日はゲストを迎えたお祭りにする旨を伝える。一人目は昨日、Gypsy Avalonにバンドセットで出演したさらさが、サポートするSo Kanno(Dr)の縁もあり登場。井上陽水の“傘がない”をスモーキーな声でカバーした。
高木がそれでもやはり4人編成は慣れないというようなことを言い、続いては自身がベースで参加しているTENDREを呼び込み、さらにこれまたKannoがBIMのバンドセットのサポートをしている縁から、さきほどまでPUNPEEのステージで盛り上げていたBIMが登場して“KIRARI Deck”を披露。メロディを歌っても強い。それにしても今年のフジロックでBIM大活躍である。TENDREはそのまま残り、さらに彼ら自身、思い出野郎Aチームのピンチヒッターで急遽本日出演したYOUR SONG IS GOODからパーカッションの松井 泉を迎えTENDREの人気曲“hanashi”を、ジョージ林のフルートがレアなアレンジで聴かせ、また、TENDREバンドでは聴くことのないギターヒーローらしいサトウカツシロ(Gt)が存分にソロを弾きまくるバージョンに変容していたのも、彼らの関係の為せる業だ。
BREIMENのメンバーが若く優れたミュージシャンであることが可能にした大改編セットリストだが、最終兵器とも言える人が登場。紹介の途中でさっさと出てきたのは昨日、グリーンステージを沸かせた田島貴男だった。スーツで決めた昨日とは一転、リラックスモードだが、ボーカルは1曲入魂の“接吻”。いや、BREIMENにORIGINAL LOVEナンバーは似合いすぎでしょう。TENDREと高木のコーラスもいい。根本にあるパンク精神も共通していそうだ。
いけだを欠いた状態で、本来のBREIMEN楽曲はできないと、方向転換した彼らは根っからのバンドマンだからこそ、今日のステージが成り立ったのだろう。ただ、BREIMENの名前を掲げ、足を運んでくれた人もいる中、最後の1曲だけはバンドのオリジナル曲“棒人間”をTENDREのサポートで披露した。絶対、悔しいはずだけど、高木も言っていたように、来年か再来年か、近い将来、BREIMENの5人のステージが見られる気がする。ライブをする場所もスケールアップしているんじゃないだろうか?そんな予感もある。いけだの回復を願うと同時にBREIMEN本来のライブが今、すごく見たい。
[写真:全10枚]