FUJIROCK EXPRESS '22

LIVE REPORTRED MARQUEE7/28 THU (EVE)

今年のフジロックを未来に伝える集合写真

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突き上げられた無言の手が物語る希望

3年ぶりの前夜祭。毎年の恒例行事だった花房浩一(フジロッカーズオルグ主宰)の挨拶と集合写真も、久しぶりに行われることになった。
いつもは「おかえり!」という花房の挨拶に、お客さんが「ただいま!」とこたえる形で始まるのが通例だが、この日はまず今日という日を迎えられたことへの感謝が述べられた。
「今日のニュースでも過去最高の感染者が出ていると報じられていた。その中でフジロックを開催していただいたこと、そして今年の開催に繋がる去年のフジロックで守らなきゃいけないルールを必死になって守ってくれた人たち、来られなかったけどその人たちをサポートしてくれた人たちに感謝したいと思ってます」
主催者側の事前通知やキャンペーンの効果もあって、この日、会場を訪れたお客さんはほとんどがマスクを着用しており、感染症対策への意識の高さが感じられた。その上で、花房は今年の集合写真が持つ意味の大きさを語る。
「みなさんにお願いです。マスクをしてください。何年後かに今日のことを振り返って、こんな時代もあったんだと、でも僕たちはそれを乗り越えてフジロックを生きながらえさせたんだと、そういう証拠の写真にしたいんです。子どもたちや孫たちに、こうやって乗り越えたってことを伝える写真を撮りましょう。お願いします。みんなが本当に思ったら形にできるんだ。それを証拠として残したいんです」
会場からは大きな拍手が上がった。それを受けて、花房は「僕がおかえりと言います。声は出さなくていいです。手を上げて、ただいまという気持ちを見せてください。いいですか?」と説明。
「おかえりー!」と叫ぶと、静まり返った会場に無数の手が上がった。声を上げる人はひとりもおらず、レッドマーキーが一瞬の静寂に包まれる。それは本当に感動的な場面だった。その場にいたみんなの想いが形になり、中には目に涙を浮かべている人もいた。
できあがった写真を見てみると、99.9%の人がマスクをして写っていた。思い描いていた完璧な集合写真とはならなかったが、あの場にいた人はきっと、今日レッドマーキーで起きた奇跡のような瞬間を忘れないだろう。

[写真:全2枚]

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