FUJIROCK EXPRESS '23

LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/29 SAT

TSHA Live

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Posted on 2023.7.30 08:56

クラブDJの情感とバンドの迫力が溶け合う極上のライブセット!

多くの人でごった返した24時過ぎのオアシスエリア。昨年や一昨年では考えられないような人の多さに、まさに完全復活の活気を感じる深夜の雰囲気。長谷川白紙の迫真のライブと入れ替わるようにレッド・マーキーに入った僕は、おそらく他の人と同じようにステージを見て思わず声をあげた。本当にライブセットなんだ!

今一番エキサイティングといってもいいロンドンのDJのTSHA(ティーシャ)だが、出演発表以降“TSHA Live”という表記に様々な話題が飛び交った。本人のInstagramを見てもどうやらスペインのプリマヴェーラ・サウンドでプレイしたらしいことはわかるが、動画もまったく出回っていないし「本当にライブセットで来るの?」なんて半信半疑でいた人はきっと僕だけではないはず。ほとんど誰も全貌を掴めていないライブがこれから始まるのだ。ワクワクしないわけがない。

2人のバンドメンバーを引き連れ現れたTSHAは、“Running”をドロップ。どうやら彼女はDJ卓でトラックをコントロールしつつベースとコーラスを担当し、そこに生音のドラムとギターも合流するという編成に見える。シームレスに移行した“Power”ではドラムパッドも叩いたりと、見たことのないバンドスタイルに早くもオーディエンスは大興奮。“Renegade (feat. Ell Murphy)”ではシンガーのレクシーも登場し、“Change (feat. Gabrielle Aplin)”でも奔放に踊りながらパワフルなヴォーカルでフロアを鼓舞。「レクシー、メイクサムノイズ!」とTSHAもがんがん煽ってくるから、気持ちもどんどんたかぶってくる。

スティールパンの音が映える“Water (feat. Oumou Sangaré)”に雪崩れ込んだかと思ったら“Time”に繋ぎ、ジリジリとフロアを温めにかかるライブセット。「繋ぐ」と表現するが、抜群に刺激的な入りでシームレスに次の曲へ移行する様子は、Boiler Roomの動画なんかで観た彼女の普段のDJプレイ(そちらもめちゃくちゃかっこいいから今回興味を持った方はぜひ観てほしい)と、なんら変わりない感触なのだ。次の展開も仄かに匂わせながらミックスしていくクラブDJの妙を存分に堪能すると同時に、バンドの迫力に唸りっぱなしという、なんともフレッシュなフィーリング。喜びを爆発させるように跳ね回るオーディエンスの躍動感が、レッド・マーキーを揺らしている。サウンドと声が掛け合うように流れる“Sister”も、ライブセットならではの立体感が際立っていた。

後半では再びレクシーが登場。“Dancing In The Shadows (feat. Clementine Douglas)”では前半以上にエネルギッシュに「カモンフジ!」とフロアを煽り、“OnlyL (feat. Nimmo)”ではフロアを巻き込むシンガロング。幅広いフィーチャー楽曲を1人で歌いこなす姿に魅せられ、僕らも気持ちのままに踊るだけだ。最後は日食のようなオレンジが映える“Giving Up (feat. Mafro)”で発散し尽くした僕らの夜は、レッド・マーキーを駆け抜けていった。深夜のテンションや情景が生み出すマジカルなフィーリングも完全に味方につけたTSHAのライブセット。踊り倒した終演後には、頭上でミラーボールが煌々と輝いていた。

[写真:全10枚]

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7/29 SATRED MARQUEE