FUJIROCK EXPRESS '23

LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/30 SUN

G.LOVE & DONAVON FRANKENREITER

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Posted on 2023.8.1 01:04

ヘブンで堪能したいすべてが詰まったライヴ

フジロック’23最終日、現在19時前。ここはフィールド・オブ・ヘブン(以下ヘブン)。日がとっぷり暮れ、ミラーボールが幻想的に場にきらめきを与えはじめる。終わりが近づいているからこそ、今フジロックの現場にいることの尊さを感じるのだ。

これからヘブンに登場するのは、初出演の2000年来計5度のフジロック出演歴を持つG. LOVE(以下G.)と、過去3回出演し13年ぶりに苗場の地を踏むDONAVON FRANKENREITER(以下ドノヴァン)によるスペシャルユニットだ。開演前にMCのジョージ・ウィリアムズも語っていた通り、二人の名が発表された瞬間にヘブンに出演するだろうと容易に予想できた。彼らが奏でるルーツ・ミュージック母体の音楽や、自由なヴァイブスはヘブンが間違いなくベストな舞台。この貴重な機会を目撃するべく多くの人が集結している。

ステージに登場するや否やいなたくブルーズ・ハープをいなたく、そして豪快に鳴らすG.。「調子はどうだ、フジロック!?」と“SoulBQue”からステージの幕が上がった。のっけからG.十八番、ブルーズとヒップホップを融合した「ラグモップ」を惜しみなく繰り広げる。G.とドノヴァンが向かい合い互いにフレーズを生み出し合うギター合戦の展開がライヴならではのダイレクトで生々しい熱をビンビンに放出!

続くはドノヴァンの“Whatchu Know”。G.がハーモニカをとり、ドノヴァンが暖かみのあるの歌声を披露し場をほっこりさせる。ラストはバンドが暑苦しくロッキンなグルーヴを創り出して熱く締めくくった。“Move By Yourself”、“Rodeo Clowns”、“Heading Home”、“Rainbow”とドノヴァンからG.の順で交互にお互いの楽曲を一緒に随所にセッションを入れ自由自在に繰り広げていく。バックで二人を支えるベーシストのMATT GRUNDY (以下マット)とドラマーのCHUCK TREECE (以下チャック)も最高だ。気心の知れた4人が互いに敬意を持ちつつ楽しそうに演奏している。バンドのムードに呼応するかのように、フロアは誰もが本当に気持ち良さそうにダンス。歓声を上げ、まったく知らない人同士ながら乾杯し、お酒を振る舞い合ったりしている。まさしくヘブンな光景がここにあるのだ。

ウクレレのような軽快なフレーズとともにはじまる“Free”。たった今のピースフルなヴァイブスの中でこの曲が披露されるという、ぴったりの展開があるだろうか。みんなで歌い心地よく揺れる。至福の極みだ。G.が吹き上げるハープの音色、随所で刻まれる太いギターのフレーズ、すべてが完璧にはまっている。

さぁ、ここからはブルーズ天国のはじまり。冒頭で楽しくコール&レスポンスをして“Guitar Man”がスタート。土臭いデルタ・ブルーズな雰囲気がたまらない。またしてもG.とドノヴァンの凄まじいギターバトルが飛び出す。本曲を締めても熱収まらぬとばかりにブルージー極まりないフレーズをプレイするG.。そのまま“Baby’s Got Sauce”に突入した。中盤でチャックが歌う展開は本セットならでは。お次はドノヴァンペンによるブルーズナンバー“Them Blues”へ。マットが巧みにハープを吹く中、G.とドノヴァンがタイトにギターを刻み絡み合う。G.によるスライドギターが更にブルーズ沼の深淵へと誘うのだ。

チャックのドラムソロから繋がる“Cold Beverage”。G.とマットがダブルハープを披露し、重たさが加わった今の音で至福の本セットも終盤に向けて駆け抜けていく。ラストは“It Don’t Matter”。ドノヴァンの優しい声が最高に気持ちいい。チャックのドラムソロあり、G.によるギターソロあり、ハープをロングブロウする見せ場も見せつつ、最後はみんなで何度もサビパート大合唱し約1時間強のステージを完走した。メンバー全員が揃ってステージ前に立ち、幾度もお辞儀。タオルやドラムのバチ、本日披露した曲のセットリストなどなど…提供できるものはすべてフロアに放出してステージを後にした。

G.とドノヴァンというフジロックを愛する者たちによる、フジロックを愛する者たちに向けた極上のライヴ。今宵、ここヘブンは愛と自由と音楽で満ちあふれていた。

[写真:全10枚]

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7/30 SUNFIELD OF HEAVEN