LIVE REPORT - GREEN STAGE 7/26 FRI
マカロニえんぴつ
Posted on 2024.7.27 14:42
マカロックがグリーン・ステージに鳴り響く!
昼過ぎのグリーン・ステージ。朝のような暑さは少し収まり、そよ風も吹いていて非常に過ごしやすい気候。ステージ前のフロアには、マカロニえんぴつ x FUJI ROCK ’24 Tシャツを早速着ているファンや、バンドの過去のツアーT、他のフェスTを着ている人もかなり多く見られた。もしかしたら、他の野外フェスでの彼らの屋外ステージを観ているファンもいたかもしれない。そんな中での、今回のグリーン・ステージ出演はメンバーたちにとっては特別だったようだ。ライブ中のMCで、はっとりはグリーン・ステージでライブができることにとても恐縮していると口にしていた。しかし、僕の中では彼らがグリーンのアクトを務めることに違和感は全く感じなかったし、むしろグリーン以外の選択肢は無いくらい、彼らのこの数年の大躍進は目覚ましかった。彼らを知る多くのフジロッカーからしてみても異論はなかっただろう。
そんな彼らのライブはリハから始まる。「へいへいへぇーーーい!よろしくっ!よいしょ!」というはっとりのいつものテンションでの掛け声から本番ではやらなかった“遠心”と“レモンパイ”をプレイ。リハが終わると一旦メンバーはステージから出て、開始時間になるとザ・ビートルズの“Hey Bulldog” を出囃子にメンバーが再登場、セッティングが終わると、マカロニの初期を代表する疾走感ある名曲”ハートロッカー”からスタート!曲の途中途中で「フジロックよろしくお願いしまーーす!」「お元気ですか!みなさーん!!」とオーディエンスに叫ぶはっとり。いきなりエネルギー全開のマカロックにオーディエンスのテンションは爆上がりだ。マカロニ流ソウル・ポップナンバー“愛のレンタル”、TVドラマの主題歌にもなった人間の温もりが思いを通して伝わる優しいラブソングの“リンジュー・ラブ”と続く。マカロニのライブで楽しいのは、その楽曲の良さももちろんだが、メンバーのパーソナリティが分かりやすく見られるところにもある。
この日もっともオーディエンスを沸かせたのは、ギターの田辺由明(Gt)だった。普段から荷物が多いという田辺は、苗場に向かうときも大きいコールマンのバッグをパンパンにして電車で移動していた。すると、フジロッカーらしきお兄さんから「もしかしてお兄さんもフジロックですか・・・?」と声をかけられた───「よっちゃん(田辺の愛称)、一般人に間違われる事件勃発!」このエピソードトークに、会場は大爆笑に包まれた。ちなみに、そのお兄さんと別れる際にはしっかりと「マカロニえんぴつです、僕」と伝えて別れたとのこと。と、そんな人間臭い彼らが本当に愛おしい。
ベストヒットなこの日のセットリストは、既発曲からも満遍なく、「涙」がテーマになっているセカンドアルバム『大人の涙』と最新EP『ぼくの涙なら空に埋めよう』からも満遍なく、いいどこどりでピックアップされた、前回の出演から現在に至るまでの彼らの進化が表れたセットリストになっていた。既発曲からは“洗濯機と君とラヂオ”に“ヤングアダルト”、「涙」シリーズからは“月へ行こう”や“星が泳ぐ”、そして“忘レナ唄”では「これぞマカロック!」な琴線をぶち抜くような最高に美しいメロディを炸裂させ、ラストは美しいメロディとバンド・アンサンブルが最高な“hope”から、マカロニの大アンセム “なんでもないよ、“ でオーディエンス全員に穏やかな笑顔をもたらした。曲のアウトロではっとりが口にした一言「ひとりを選ぶなよ」──これ以上ない救いの声は、とても温かくて、きっと多くのファンの心に幸せな気持ちを与えたに違いない。マカロニえんぴつ、ありがとう。そして、フジロックのグリーン・ステージでまた会いましょう!
<セットリスト>
01. ハートロッカー
02. 愛のレンタル
03. リンジュー・ラヴ
04. 恋人ごっこ
05. 月へ行こう
06. ブルーベリー・ナイツ
07. 悲しみはバスに乗って
08. 洗濯機と君とラヂオ
09. 忘レナ唄
10. 星が泳ぐ
11. ヤングアダルト
12. hope
13. なんでもないよ
[写真:全10枚]