MOREFUN - INTERVIEW 7/26 FRI
後藤正文インタビュー
Posted on 2024.7.28 12:14
音楽が繋げる世代
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤さんと短い時間お話しする機会を持ちました。金曜日のフジロックでのパフォーマンスについて、ROUTE 17 Rock’n’Roll Orchestraとの共演、フジロックのレガシー、そして世界の現状について話しをしました。
FR: ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA(以下:ROUTE 17)の出演は初めてではないですよね?
Gotoh: 2回目ですね。1回目は、覆面バンドみたいな感じで出たので。今日とはちょっとキャラクターが違うというか。
FR: 毎年ちょっと違う雰囲気があるのが、ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAですよね。
Gotoh: 毎年ROUTE 17にはテーマがあって。
FR: 今年のテーマはなんだったんですか?
Gotoh: 池畑さん(ドラマー)と話したのは、僕のルーツにあるような楽曲を演奏したらいいんじゃないかという話で 。学生とか子供の頃に好きだった音楽をここでもう1回演奏するみたいな。
Gotoh: 今回選んだThe Whoとジョン・レノンは僕から提案しました。でも、日本人が欧米のロックを日本のフェスで演奏する意味っていうのは、ちょっと考えなきゃいけないなと思って。だから、 イマジンを日本語でやったのも、自分たちの言葉でやらなきゃいけないなって気持ちがあったからなんです。
Gotoh: メッセージを、ちゃんと自分が歌う2曲の中で作らなきゃいけないなと思ったから。 最初の曲は、My Generation。僕たちの世代、何をすべきかと考えて、 真っ先にパレスチナが浮かんだんです。もうこれは絶対に終わらせなきゃいけない。だから、プラカードを友達のアトリエで作って、持ってきて掲げて。
Gotoh: 何ができるかっていうのはすごく難しいけれど、でも、こうやって アジアの一番東のフェスで、僕らがガザの人たちと共に立っているみたいな、 今行われている暴力をちゃんと見てるよ、ちゃんと問題だと思ってるよっていう意思を世界に発信することはすごく意味があると思う。いろいろな場所で連帯していく必要があるし、そうやって、ジェネレーション的な繋がりを持つと、本当に力を持つというか。 もしかしたら、このひどい暴力が止められるかもしれない。そして、止めたいという気持ちがあるというか。
FR:アジカンは、他の日本のバンドより海外に向いている印象があります。海外の人気もあるし。そして、このような考え方って 海外のマインドだからか、伝えにくいけど、ちょっとわかります。
Gotoh: でもね、やっぱり音楽を始めるにあたって、ジョン・レノンだったり、パティ・スミスだったり、 音楽と社会を切り離さないで、メッセージが音楽になって、 生き方が音楽になっている、アートとライフが切り離されていない表現者たちに憧れてきたから。洋楽だからとか、日本だからとかって全然関係ないと思う。アジアにも同じことを思ってやってる人たちはたくさんいるし。
FR: 例えば来年、再来年とか、自分がROUTE 17 のライナップを決めることができたら、誰を選びますか?
Gotoh: 僕はROUTE 17の演奏でもっと若いバンドが歌ったらいいと思うから、例えばVaundyとか、King Gnuとか。ああいう若いバンドたちが自分たちのルーツの音楽を演奏して、 ちゃんと融合して、日本の素敵なロックのツリーが見せられたら最高なんじゃないかなと思います。
FR: ニューレジェンドとオールドレジェンドの繋がり。
Gotoh: ROUTE 17もそうだけど、フジロックは日本だけじゃなくて、海外のバンドも入るからもっとグローバルコミュニティな感じになる。韓国のHYUKOHとか、台湾の落日飛車とか。アジアにもすごいかっこいいバンドがいるから。そういう人たちと交流しながら、 同じマインドとかソウルとかシェアできたらすごいいいなって思います。
Gotoh: 音楽って多分、実はボーダーっていうのがフィクションだってことを 認識するためにある気がするというか。ほんとに簡単に俺たちって音楽で分かり合えるし、同じビートで体をゆすれるし、でもこれって可能性だから、 それをフェスっていうのは体現していってほしいし、そういう場になっていってほしいという気持ちがありますね。
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