FUJIROCK EXPRESS '24

LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/27 SAT

フジロックは特別な場所なんだ【フジロック2日目まとめ】

  • フジロックは特別な場所なんだ【フジロック2日目まとめ】

Posted on 2024.7.28 09:40

フジロックは特別な場所なんだ。

この言葉はアーティスがMCでよく口にするものだし、参加者も感じていることだろう。この日のフジロックほど特別な場所であると感じたことがなかった。

この日、まずはところ天国にある青空寄席・筍亭で鈴々舎馬るこの落語から始まった。話のマクラでフジロックの出演時間が最長となり、「みなさんはレジェンドを目撃してるんですよ」と笑いを誘っていた。本編は「牛ほめ」。落語でおなじみの与太郎がやらかす噺だ。


注:金曜日の写真です

グリーンステージのTHE LAST DINNER PARTYはスティーヴィー・ニックスやケイト・ブッシュやカヴァーをしたブロンディなどのロックをする女の子たちの歴史を感じさせ、その厚みが今、彼女たちの音になっているのだと感じた。ベースのジョージア・デイビーズによる日本語のMCがけっこう上手くて可愛かった。

ホワイトステージのTHE BAWDIESは、ルーキー時代も含めて6回目の出演で「フジロックに育ててもらったんです」と語る。それだけに思い入れの強いステージをみせてくれた。

グリーンステージへ移動して10-FEETを途中から。「明日、死ぬかもしれへんか。だから最後のステージだと思ってやる」というようなことを繰り返し語り、その熱を体現したライヴとなった。“第ゼロ感”で空気を変えてさらに惹きつけたところは、この曲が新しいアンセムとなった感じがある。

フィールド・オブ・ヘヴンのスガシカオはファンキーで楽しいステージだった。ソロでも活躍するギタリストReiのサポートを得て充実の演奏を聴かせてくれた。さらに自身が作詞で参加したKAT-TUNの“Real Face”を演奏してたくさんのタオルが回っていた。フジロックでKAT-TUNの曲を聴くことになるとは。これも特別なんである。

ホワイトステージまで歩いていくと、くるりが満員御礼となっていて、なかなか動けない状態になっていた。「京都大作戦」(10-FEET)対「京都音楽博覧会」といった趣もある。くるりも何度もフジロックに出演して参加者との絆を感じさせる。お客さんたちの反応もよいし、何よりもホワイトステージをここまで埋めたのだから次は「グリーンで、いやヘヴンかな」という発言もあった。

そしてグリーンのヘッドライナーのクラフトワーク。なによりもラルフ・ヒュッターの長いMCと坂本龍一“Merry Christmas Mr. Lawrence”のカヴァーだろう。クラフトワークが長いMCをするのか、カヴァー曲をやるのか……前代未聞のことだった。レジェンドによるさらに特別なライヴ。ラルフをみるとちゃんと手を動かして演奏しているし、ちゃんと歌っているし、機械じゃない人間がやっているんだー!! ということがよくわかる。

そして寝るところまでの帰り道、どん吉パークで苗場音楽突撃隊の延長戦を観たし、日高さんが呼び込んでUSのライヴも観ることができた。ちょっとしたお遊び程度の演奏でなく、がっつりしたセットでめちゃくちゃ熱演で、深夜1時を過ぎていたのにたくさんの人たちが集まって盛り上がっていた。もちろん、同じ時間帯にはレッドマーキーも岩盤スクエアもルーキー・ア・ゴーゴーも富士映劇もパレス・オブ・ワンダーもやっている。終電なんか気にしないで山の中にできた街で一晩中遊べるなんてフジロックだけだよ。フジロックは特別な場所なんだ。

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