LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/28 SUN
US
ロックンロールあれ!~Let there be Rock n' Roll!~
フジロックもあっという間に最終日。ほんと毎年寂しくなるよね。朝起きた瞬間からあぁもう最終日かぁって。グリーンステージではじまりを告げるキヨシローの“田舎へ行こう”すら悲しく聞こえるんだから重症だな。まだ時間はお昼の12時過ぎじゃないか!最後の最後まで楽しもう!
さて皆さん、フィンランドからやってきた新星、USはもう観たよね?前夜祭のスペシャルギグを皮切りに、初日はパレス、昨日は岩盤でアコースティックセットとどん吉パークで突如のスペシャルギグと、既に4回(初日のルート出演も入れるなら計5回だ)もプレイしているんだから。フジロックで最後のステージとなるここレッドマーキーは既に目撃してファンになったであろう人や噂を聞きつけて来た人でパンパンだ。今年はUSのフジロックだったって言われることにきっとなる。さぁロックンロールショウのはじまりだ!
開演時刻にフジロックの創始者の大将こと日高正博がステージに登場。「いよいよ最後のフジロックね。今回の。面白かった?俺のお気に入りのバンドを紹介します。知ってると思うけど。だからこれだけのお客さんが集まってくれてるんだよね。フィンランドからやってきたやべぇロックンロールバンド!(ここは英語ね。fxxkin’と言っとりました)」とバンドを呼び込んだ。大将はステージのすぐ真横に座って観ている。これは緊張するよねぇ…。
“Black Sheep”からキックオフ。テオ・ヒルヴォネンとマックス・ソメルヨキが交互に叫びフロアに熱を投下していく。テオは連日のステージで喉を潰したのか声の出が少し気になる。そして、テオの兄貴のパン。やっぱりこの人はただ者じゃないね。ブルースハープの演奏が最高なのは勿論のこと、ビートに合わせて首を右へ振り、足を交差し、横跳びステップを繰り出して盛り上げる。もう覚えちゃったよそのムーブ。パンはハッピー・マンデーズのベズだ。バンドのグルーヴの要ってこと。そのまま“Citroen Blues”へなだれ込んで疾走だ。
テオが「今のフジの天気には合わないけど…」と“Snowball Season”を披露。テオのギターソロがいい!弦をギャンギャンこすりまくってクラウドの歓声を促していく。“Just My Situation”でテオはかすれた声を張り上げる。これがロックンロールのヴァイブスに輪をかけるのだよ。間奏部のロッケンローパートがあるでしょ、あそこ大好物。あのパートだけで白飯何杯でもいける。最高!
最後に揃ってのバシッとキメキメのお辞儀をして、テオは両手を広げて「どうもありがとうございます!」。連日のステージの甲斐ありもう日本語での挨拶も堪能になったものだ。
“Got to Know”で我らをブルーズ天国へ叩き込む。マックスが往年のブルーズマンよろしくラフに歌い上げるのがたまらない。US、こういういなたいのもいけるのね。最高ですな。“In & Out My Head”では冒頭のギターフレーズでバンドクラップが巻き起こした後は疾走しまくりのロックチューン“I Wanna Be Your Lover”をぶちかます。ベースの唸りも、間奏部に入るギターのジャカジャカも、吹き荒れるパンのブルースもたまらん!
落ち着いた“Carry Your Bag”で小休止タイムを作ってくれた後は、リードトラックの“Night Time”を投下。会場全体が地響きのような盛り上がりに。“I Ain’t Got Nobody”はブルージーかつガレージパンクな荒々しさで迫り来る。腹にズシズシくるベースのぶっとい鳴り、叩き込むドカドカドラムも前夜祭の時よりも何とも粋。バンドアンサンブルは経験値を積むほどによくなっていく。
“Hop on a Cloud”と“Help Me with My Broken Heart”の立て続けのパワーポップチューンではパンが十八番の踏みしめるステップがとにかく最高で、ロックンロールがいかに楽しいかっていう感じがあふれ出ているのだ。
テオによるメンバー紹介タイムで最後に「We are US!」。これ、チバが1998年のフジロックで「俺たちが日本のミッシェル・ガン・エレファントだ!」と叫んだあれを思い出さないかい?そのまま“While You Danced”へ。フロアには自然と出来上がる大量のウェーブ。バンドとオーディエンスはもう一体だ。そのままラスト“Say Mama”になだれ込み、あらん限りに出し尽くすバンド。天は与えたもうた。ギターを、ベースを、ドラムにブルースハープを、そしてロックンロールを!今年、苗場で5回に渡って極上のロックンロールショウを届けてくれたUSに幸あれ!
“FUJI ROCK SPECIAL” US
2024/07/30 (Tue) @ WWW X
OPEN 18:30 START 19:30
スタンディング 前売り:¥6,500(ドリンク代別)
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