LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/26 FRI
GHOST-NOTE
多幸感に満ちあふれたグルーヴとヴァイブス
まさしくヘブンにドンピシャなパフォーマンスだった。フジロック初日もトリ前の時間帯となった。陽が落ちはじめ、ディープな夜へと変貌する時間に姿を見せたのは、スナーキー・パピーのロバート“スパット”シーライトとネイト・ワースが主導するGHOST-NOTE。リハの段階からフロアにグルーヴを生み出しガンガンに盛り上げている様を見て、確信してしまった。これからはじまるライヴは大正解。間違いないと。この場をまさしく天国にならしめるべく米国からやってきたのだ。
メンバーの気合十分な雄叫びがステージ脇から聞こえるや、バンドメンバー9名がズラッとステージに集結。ゴスペルマナーで歌い上げ、“JB’s Out!(Do It Baby)”からステージを開幕。「イエー!」の掛け声を皮切りにバンド渾身のファンクビートでフロアを熱していく。リズムパターンも音色もくるくると変えてくるものだから、揺れているこちらの身体がもたない。パーカッションとドラムが手数の多いビートを叩き出し、オーディエンスは止まる機会を逸してとにかく忙しい。このかけがえのない場所で極上のアンサンブルに合わせてどこまでも踊り倒すのだ。
間違いなくステージを掌握しリードしているのはリーダーでドラムのロバートだ。ロックンロールな激アツソロを繰り出すカールコードのギター、ソウルフルな歌声を披露するとともに聴衆をアジテートするボーカル、R&B然としたフレーズからサイケでディープな鳴りまで変幻自在なキーボード、随所で滑るようなラインを入れ込みグルーヴを一層華やかに変化させるベース。その上を自由に飛び交うように響き渡るテナーサックス、アルトサックス、トロンボーンのホーン隊。ロバートがビートを叩き出しながら、メンバーの見せ場を作り、ここにしかないグルーヴに仕立てているのが見て取れる。
ロバートがメンバーを紹介しながら繰り広げるセッションタイムにその手腕を遺憾なく発揮。メンバーのソロが、どれもいつまででも浴びていたくなるほどいかしていた。本セット一番のハイライトと言っていいだろう。
とっぷりと陽が暮れても灼熱のグルーヴは収まる気配が一切ない。音の直球勝負たる圧巻パフォーマンスの連打ににフロアから「スゲー!」という叫びが飛ぶ。誰もが笑顔で、ダンスし、手を叩き楽しんでいる。演者もオーディエンスも互いにリスペクトし合って一体となるのだ。最後は「ファンクってのはこれだ!」と音の渦の中でこれでもかと踊りまくる。まだまだ終わってほしくないこの時間!
「ピース!アンド、ファンク!」とロバートがこれしかない一言で爽快に締めくくった。会場一帯が大歓声とともに幸せなヴァイブスで満ちあふれている。人生で一度きりのまたとないライヴ体験。フジロックにはこれがあるからやめられない。
[写真:全10枚]