FUJIROCK EXPRESS '24

LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/28 SUN

CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR

  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR
  • CELEBRATION OF THE METERS FEATURING GEORGE PORTER JR., IVAN NEVILLE, TONY HALL, IAN NEVILLE & DEVEN TRUSCLAIR

Posted on 2024.7.29 03:04

ニューオーリンズから届いたファンクという名の熱風

フジロック最終日の19時前。例年最終日のこの時間帯は終わりの足音が聞こえてきて寂しくてしょうがないのだが、今はワクワクでいっぱいだ。ジョージ・ポーターJr.が2019年の出演以来5年ぶりに苗場に、同じフィールド・オブ・ヘブンに帰還するのだから。「CELEBRATION OF THE METERS」と銘打たれ、メンバーはお馴染みのダンプスタファンク(Dumpstaphunk)の面々もとくれば、かのニューオーリンズ産グルーヴをこれでもかと堪能できるってわけだ。

ジョージを最後に観たのは、2020年2月12日に行われたVoodoo Dead( https://smash-jpn.com/live/?id=3290 )の大阪公演。そのライブでジョージが「もうすぐニューオーリンズでマルディグラがあるんだ。みんな遊びに来ないかい?」なんて言っていたのだが…その後の事態はご承知の通りだ。あのコロナ禍の辛い数年を経て、今この苗場の地で再会できたこと、音楽を愛する者たちとまた自由に楽しい時間を共有できることに感謝だし、開演前にもかかわらず感動で目頭が熱くなってしまう。

雨足が強くなってきた。そういえば2019年も酷い雨だったな。アート・ネヴィルがフジロック開催の直前に亡くなってしまって感傷的なムードが漂っていたなとか思い出しているうちに開演時刻となった。

ヘブン担当MCのジョージ・ウィリアムズが登場しバンドを呼び込む。照明が落ち暗闇の中、総勢6名のメンバーが次々に登場。ステージに向かって左からトランペッターのアシュリン・パーカー、トロンボニストのアレックス・ワシリー、亡きアート・ネヴィルの息子でギタリストのイアン・ネヴィル、ドラマーのデヴェン・トラスクレア、ギタリストのトニー・ホール、そして、ネヴィル・ブラザーズのアーロン・ネヴィルの息子にして、ハモンドB3オルガン奏者でダンプスタファンクのリーダー、アイヴァン・ネヴィルという布陣だ。

アレックスがステージ前方に出て来て手を挙げフロアに向かって盛り上がれと煽ると、ドラムビートがドカドカ入り、シンバルのクラッシュ音が軽快に鳴ればメンバー全員が音を一斉に出力。のっけからホーン隊が唸りを上げ、アイヴァンが「ニューオーリンズ!YO!」と開演を高らかに宣言するのだ。

バンドがセッションを繰り広げる中、ジョージが満を持して登場。以前と何も変わらぬデッドなケミカルウォッシュTを着ている姿を見ただけで涙もんだ。アイヴァンがあのいなたいイントロを奏でる。“Hey Pocky A-Way”と分かると大歓声が飛び、ジョージがずっしりと刻むベースのザ・ニューオーリンズなグルーヴに誰もが身を任せ、サビを合唱している。

すぐさまあのギターフレーズが刻み込まれ、オルガンの跳ねたタッチが入り“People Say”へ突入。トニーのギターがエディ・ヘイゼル顔負けの流麗さで迫ってくる。アイヴァンはブルーズっぷりがたまらないソロパートを披露し、ジョージがトランペットのソロを促すなら、アシュリンは表現を爆発させるしかないのだ。怒涛のセッションタイムは次の“Funky Miracle”でも続く。ジョージが「やれ!アレックス!」とトロンボーンが火を噴くよう仕向け、お次は自らベースをまるでギターのごとく百戦錬磨のブルージーなフレーズをブンブン繰り出すのだ。音楽で会話をする人たちのグルーヴは説得力が半端ない。問答無用に踊らされてしまう。

ご機嫌な“No More Okey Doke”ではトニーがベースに持ち替え、2ベース体制でグルーヴに輪をかけてくる。トニーがワウペダルを踏みながらギターを刻み“A Message from the Meters”がスタート。アシュリンのブロウが炸裂した締めのロングトーンにフロアは大歓声で応えた。“Just Kissed My Baby”の中盤のジョージのソロは凄かった。ジャジーなタッチで優しく奏でたり、弦を乱暴に引っ張ったりしてベースのサウンドを知り尽くした巧みなプレイに悶絶した人続出だったことだろう。

イアンが流れるようなギターソロをかましてはじまった“It Ain’t No Use”。トニーとイアンが交互に繰り出すソロ合戦、デヴェンとジョージによる極上ビートの上を泳ぐアイヴァンのオルガンの鳴りもたまらない。終盤はオルガンとギターを中心に浮遊感漂うスペイシーな音が飛び交うジャムセッションへ。音量と場の熱量がピークに達し完了した。

「サンキュー!フジロック!」とジョージが叫ぶとステージの照明が明るくなったので終わりかと思いきや、すかさず「もう1曲ほしいか?」とジョージから問いかけが。割れんばかりの「ワンモアソング!」コールが飛ぶ。最後はジョージが歌い手としての健在っぷりを見せつけた“Fire on the Bayou”にて締めくくり。本曲のフックをフロアのみんなが盛大に合唱したのを見て、ジョージがご満悦といった表情で微笑んでいる。

ジョージとバンドがステージを後にしても、鳴り止まない歓声と熱狂の余韻がいつまでもそこにあった。

[写真:全10枚]

TAGS
7/28 SUNFIELD OF HEAVEN