FUJIROCK EXPRESS '24

LIVE REPORT - PYRAMID GARDEN 7/26 FRI

角銅真実DUO (角銅真実&巖裕美子)

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Posted on 2024.7.27 08:57

深夜の始まり、Pyramid Gardenで起こる名演の予感

初日のてっぺんをまわる時間帯、Pyramid Gardenに集ってくる人たちには無条件の信頼がある。深夜のここは名演が生み出される予感がある。じっくりとサウンドチェックを行う角銅さんと巌さん。歌う声の神聖な感じと、必要事項を伝えるお茶目な声のギャップに微笑んでしまう。GREEN STAGEやRED MARQUEEの狂騒や爆音から離れ、同じ苗場と思えない静寂に包まれるこの場所はどんなに疲れていても辿り着くとホッとさせられる。

二人は角銅さんの前作『oar』からの付き合いで、ライブも共にしている。今回のデュオ形態はアカデミックなバックボーンを持つ二人の側面が濃いのだろうか。でもこの場所のムードはすっかり緩やかに溶けている。一度、バックヤードに引っ込んで、再びステージに現れた二人に優しい拍手が送られる。

曲名はわからないが、懐かしいピアノの音から始まり旋回する角銅さんの人間じゃない生き物のような声と巌さんのチェロが“会話”する。途中でマリンバに移行したりして、ストーリーを持った長い1曲を構築していく流れが最高に気持ちいい。マリンバの残響がかなり大きいのだが、それも何かジャンルを特定できないムードで、ただこの空気に浸りたい。夜露に濡れた芝生に寝転んでいる人がいる。冷たいかもしれないが、そうやって聴くのが正解な気がする。

一音一音を息をするような自然さと無駄のなさで奏でる二人。角銅さんはさらに口笛、アコースティックギター、フルート、ピアノ、オートハープと、まるでこれも息をするように多彩な楽器を自在に操っていく。特にオートハープは自分の体を撫でるような格好での演奏スタイルなのが、姿としても美しい。

ストーリーのある曲としては「枕の中に種子がある」というくだりが面白い“枕の中”や、“人攫い”などが披露された。今年リリースしたアルバム『Contact』からの選曲だ。彼女の歌声は作為がなくて、初めて聴く人も心底安心すると想像する。声で疲れが取れるなんて非科学的かもしれないが、歌が同じ場所にいる見知らぬ同士の間にある空気を穏やかなものにしてくれるのは間違いない。ここで諍いは起こらなそうだし。

いつもはもう眠っている時間だそうだが、今日ここで演奏できて幸せです、と彼女は言った。初日をここで終わらせて、穏やかな気持ちで各々の宿に帰る人も多かったんじゃないだろうか。夜中のPyramid Garden、おすすめです。

[写真:全10枚]

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7/26 FRIPYRAMID GARDEN