FUJIROCK EXPRESS '25

LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/25 FRI

PERFUME GENIUS

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Posted on 2025.7.25 22:41

Freedom of my Queen、轟音の中に差す一筋の希望

背後のスクリーンには一面ブルーが映し出され、サポートメンバーが次々と登場する。バスドラの音に合わせた拍手が起こり、ハンドマイクを持ったPerfume Geniusことマイク・ハドレアスがステージ上に姿を現すと、大きな歓声が起こる。
“In a row”、“It’s a mirror”、“No front teeth”と、今年リリースされた最新アルバム『Glory』からの楽曲が続く。マイクの渇いた歌声と、身体の芯に響くようなドラムとべースの低音が心地よい。ローファイさを覚える楽曲の中でも時に力強く歌いながら、ステージで妖艶にゆったりと踊るマイク。中央に置かれた椅子に座ることもあれば、もたれかかったり持ち上げたりと、さまざまな体制で歌う。まるで“In a row”のMVを再現しているようにも思えたけれど、仰向けだろうが、シールドが引っかかろうが、椅子の背もたれの間を潜り抜けようが、声は揺らがず、一定の声量を保ち続けているのだから流石ではあった。

小さな爆発のようなサウンドで始まった“Slip away”では、リヴァーブのかかったマイクの浮遊感たっぷりの歌声、ゆったりと聞き入った“Left for tomorrow”でも、大きな歓声が上がる。バンドサウンドとして奏でられるPerfume Geniusは、はっきりとした音の輪郭を感じることができ、立体感の伴った音のひとつひとつが混ざり合うようであり、音源とはまた異なった一面を持っているのだと改めて実感する。何より、ステージ上を動き回るマイクが次のどんな行動をとるのか、まったく想像ができなくて、こんなにも自由でいいのか、ということを改めて感じさせる。こういうところもライブならではであるように思える。

クラップ&ハンズではじまった“On the floor”では、コミカルなギターのリフ、遊びのあるドラムが鳴れば、身体を揺らしながら聴きたくなる。そして、ピンク色のスポットライトが相まってきらめくキーボードの音とともにマイクの裏声がドリーミーに響く“Jason”、そしてしっとりと聴かせながらも壮大な雰囲気を持ち出した“Otherside”のあとの“Describe”では、ゆっくりと確かめるような低音、マイクが丁寧に歌う姿には高揚感すら覚える。
“Eye in the wall”では、ステージ上を駆け回りながら、ドラム前に設置されているチュール素材のライトブルーのバカでかいもこもこの布に自ら絡まっていくマイク。いや、なんで?と思わなくはないけれど、どれだけ自分が絡まろうが、マイクスタンドごとめちゃくちゃになろうが、それが当たり前の事象みたいに大真面目に歌うのだからおかしくもあった。
もこもこの布をまるでドレスのように纏う“My body”では、シリアスな低音、緊張感を保ちながらも、全身に浴びるようなサウンドが心地よい。
最後、“Queen”では、印象的なギターの音が鳴らされるなか、マイクスタンドに絡まりまくったライトブルーのもこもこをまるで漁かのごとく引きずりながら、寝そべったりしながら訴えかけるかの如く歌うマイク。それでもステージには他のメンバーを残し、去っていくマイク。バンドサウンドにこだわりを感じながらも、まるで前衛的な現代アートのインスタレーションの一部を見ているような時間でもあった。

[写真:全10枚]

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7/25 FRIRED MARQUEE