LIVE REPORT - FIELD OF HEAVEN 7/26 SAT
EGO-WRAPPIN’
新旧至れり尽くせり、踊りに踊った”天国”のヘッドライナー!
マイクチェックからこなれた様子で観客たちを一盛り上げしたのち、前回のヘブンでの土砂降りのライブを漫談のように話す2人。そうだよね、ライブ中でも言っていたけれど、来年は30周年、フジロックは10回目の出演となるのだから、いい意味で緊張感もなく、こちらも安心した面持ちのまま期待を寄せられる。
中央に置かれたマイクスタンドに取り付けられた赤いライトが照らされ、バンジョーにコンガ、マラカスと、ウエスタンを彷彿とさせる演奏が終われば、“Neon Sign Stomp”!軽快なドラムとべースのリズムにトランペットとフルートが高らかに鳴り、中納良恵(Vocal)がパワフルに歌う。そして「ヘブン!」「フジロック!」と歌詞の一部を変えて観客たちを一気に引き込んでいく“PARASNOIA”、軽々しく高鳴る森雅樹のギターとドラムがロマンティックに聴かせる“Love scene”と、名曲が続く。長いキャリアがあるからこそ、人から愛されてきた曲も複数あり、曲のよってさまざまな表情を見せ、強弱をつけながら徐々に会場を温めていく。このような一面も、ライブを何度もやってきた彼らだからこそできることなのだと思う。
キャッチーなメロディーに駆け抜けていくドラム、中納の豊かな歌声が伸び行く“裸足の果実”のあとは、7月にリリースされたばかりの“AQUA ROBE”!鈴の音に骨太なベース、シンセも用いり、観客たちはゆっくり身体を揺らして聴き入る。
マイクを手に持ち、「今が幸せ!」というよっちゃん。“a love song”では、ロマンチックな雰囲気のなか美しい歌声を披露し、観客たちとのかけ合いもばっちり!ヘッドライナーだからこそ、最後の力を出しきるかの如く、音に身を任せながら今この瞬間を楽しもうとする。温かなギターのサウンドが心地いい“満ち汐のロマンス”のあとは、中納と森の2人がステージに残り、結成して初めて作ったという“Callling me”、そして“かつて…。”をシンプルな構成でしっとりと聴かれてくれた。こういうのも、フジロックならではなんじゃない?途中で肩を組もうとしたけれど、2人の身長差がありすぎてうまくいかなかった様子もおかしかった。
コンガがリズミカルに踊らせる定番の“色彩のブルース”、そして新曲“Treasures High”は耳に残る管楽器、浮遊感の漂うリズミカルなサウンドの思わず身体を揺らしてしまう。
休む暇もなく“サイコアナルシス”のイントロが流れれば、大きな歓声も上がる。今までも本番だったけど、これからが本番だと言わんばかりの熱気の込められたクラップ&ハンズが起こり、夕方ごろまで降り続いた大雨で奪われた体力を更に奪っていく。「チェリー!」という声とともに“くちばしのチェリー” の聴きなれたパーカッシブなギターが聴こえる。これはうれしい!聴いているこちらが元気をもらえそうな安定した歌声、「ヘブン行こうか!」という扇動もさすが!やっぱり踊らずにはいられない。
アンコールは、“サニーサイドステディ”に“GO ACTION”と、最後の最後まで踊りつくした最高のヘッドライナーだった!1時間半の決められた枠組みのなかでメリハリをつけながらも全員を取り残すことなく楽しませてくれる様子はMCで言っていたように「真面目にコツコツ」やってきたからこそなのではないでしょうか!
[写真:全10枚]