FUJIROCK EXPRESS '26

LIVE REPORT - WHITE STAGE 7/24 FRI

SON ROMPE PERA

  • SON ROMPE PERA

Posted on 2026.7.24 19:36

巻き起こす歓喜のマリンバ・モッシュピット

いよいよ幕を開けたフジロック。初日のWHITE STAGE、その2番手を務めるのは、昨夜RED MARQUEEを灼熱のマリンバ・パンクで揺らしたSON ROMPE PERAだ。

まず姿を現したのは、ドラムのRicardo “Ritchie” López(リッチー)とパーカッションのJosé Ángel “Kilos” Gama(キロス)。重く腹に響くビートをドカドカと打ち鳴らすと、Allan “Mongo” Gama(モンゴ)、Jesús “Kacho” Gama(カチョウ)、Raúl “Raven” Albarrán(レイヴン)が飛び跳ねながらステージへ飛び込んできた。

「¡Hola, amigos!」
モンゴとカチョウのガマ兄弟が巨大なマリンバを全身で叩きつける。幕開けを飾ったのは、マイク・ラウレ(Mike Laure)の名曲でも知られるクンビア・クラシック“Cumbia Buena”。マリンバの低音を担うモンゴと、メロディを紡ぐカチョウ。その鮮やかなコントラストに思わず目を奪われる。終盤はどんどんテンポを上げ、髪を振り乱しながら全力でマリンバを叩き込む姿に、会場の熱は一気に引き上げられていく。

「カンパイ!」
日本語で放たれたひと言にフロアが沸く。“Cumbia Alagarrobera”ではスカビートとともにさらに加速。カチョウはステージ前方へ飛び出し、しなやかでありながら激しく、どこか妖艶なステップを踏み続ける。そのグルーヴに引き寄せられるように、オーディエンスの熱もみるみる高まっていく。この手の音楽は、やはり生で浴びてこそ真価を発揮する。

やがてカチョウとキロスはTシャツを脱ぎ捨て、タトゥーが刻まれた上半身をさらしてさらにヒートアップ。哀愁を帯びたマリンバのフレーズから、一転して怒涛のスピードへ雪崩れ込む展開は圧巻だ。「もっと踊れ!もっと暴れろ!」と煽るようにテンポを加速させるたび、フロアには笑顔と歓声が弾けていく。

そして数日前にリリースされたばかりの新曲“Nada que hacer”へ。軽快なギターリフが鳴り響くと、お待ちかねの”マリンバ・モッシュ”が炸裂。木の温もりを持つはずのマリンバが獰猛に暴れ回り、観客も一斉に身体をぶつけ合いながら歓喜する。

メンバーは何度も「カンパイ!」と叫び、そのたびに歓声が返ってくる。

音に誘われるように、WHITE STAGEには次々と人が集まってくる。そしてここで投下されたのは、彼らの名刺代わりとも言えるアンセム“Cumbia Is The New Punk”。疾走するパートではキロスが雄叫びを上げ、オーディエンスも腕を突き上げて応える。「Gracias!」と叫びながら拳を掲げるキロスの姿が、とにかく格好いい。

彼らの背後に映し出される映像も実にユニークだ。“Reptilo”ではスペースゴジラやゴジラをはじめ、さまざまな怪獣やモンスターが次々と現れる。そして、どこかトランプ大統領を思わせるにやけた蛇男の姿も。現実世界に存在する”怪物”への皮肉とも受け取れる強烈なビジュアルが、楽曲の世界観をさらに際立たせていた。

続いて披露されたのは、天国の父へ捧げるマリンバ・ソロ。英語も、日本語もない。ただメキシコの言葉だけで、まっすぐに想いを語りかける。左手に2本、右手に1本のマレットを持ち替えながら紡がれる旋律は、言葉以上に雄弁だった。間奏部でくるくると回転し、激しく動き回った直後とは思えないほど寸分の狂いもない超絶技巧に、場内は割れんばかりの拍手と歓声に包まれる。

「モッシュピット?」キロスが指で大きく円を描くと、フロアには自然と巨大なサークルが生まれる。
「¿Estás listo?(Are you ready?)」そう叫んで放たれたのは“Chucha”。歓喜のモッシュピットが果てしなく回り続け、砂ぼこりが舞い上がる。2人のパーカッションが叩き出す強烈なビートにノイジーなギターが絡み、WHITE STAGEは巨大な祝祭空間へと姿を変えていく。

「しゃがめ!しゃがめ!」メンバーの煽りに合わせ、フロア全体が一斉にしゃがみ込む。そして次の瞬間、全員が高々とジャンプ! モッシュが再び爆発し、まさに昼間のWHITE STAGEたる熱狂が広がっていく。「Hey Ho! Let’s Go!」ラモーンズの名フレーズが響き渡る。クラウドサーフも飛び出し、バンドは最後の一滴までエネルギーを注ぎ込むように全力疾走。ステージを飛び降り、観客のすぐ目の前で怒涛のパンクを叩きつける。

フィナーレでは、バンドの象徴であり、自分たちのルーツでもあるマリンバを高々と掲げ、その楽器へ最大限の敬意を捧げる。演奏を終えると再び5人全員がステージへ並び、何度も何度も頭を下げ、オーディエンスを見送るかのように笑顔で手を振る。

メキシコの伝統楽器とパンクスピリット。その一見相反する二つを誰よりも自由に融合させたSON ROMPE PERAは、この日、WHITE STAGEを巨大なモッシュピットへと変え、フジロック初日の熱狂を鮮やかに刻み込んでみせた。

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7/24 FRIWHITE STAGE