星野源

Gypsy Avalon | 2011/07/30 21:00 UP
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ココロに沁みる、飾らないうた

雨もやみ始めたフジロック二日目の午後。前日にホワイトステージに出演したSAKE ROCKのリーダー、星野源のソロライヴを見ようとちょっと早めにアヴァロンへ向かうと、もうすでにステージ前にお客さんが詰めている。それもそのはず、ステージ上を見れば、星野本人がリハーサルを始めようとしていた。

「星野源です、今からリハーサルします。みんなえらいぞ、こんな前からいて……。」そう言いながらひとしきり恐縮して見せると、早々に集まったお客さんを前に”スーダラ節”を歌い始めた。そしてさらに「リハだけどご一緒に! もっと歌おう!」とお客さんを煽り、何故か本番前なのにアヴァロンで星野とお客さんの「スーダラ節大熱唱」が繰り広げられたのだった。

本人曰く、「おめかしせず、そのまんまの姿で出てみよう」と思い登場したアヴァロンステージ。そのせいか、眼鏡姿をお客さんにツッコまれたり、「会場で見かけるポンチョ&ホットパンツ&素足の女子はやらしい」発言などなど、ライヴの流れは終始飾らず和やかだ。

ちょうど震災直後の辺りから、今年の九月にリリース予定のセカンド・アルバム『エピソード』の製作に入っていたという彼。その影響もあり、自身の辛かったこと、哀しかったこと、嬉しかったことなどのテーマをぐちゃぐちゃに見つめて作られたという。そう言えば、この日のライヴで演奏された今までの曲も”子供”に”茶碗”、”老夫婦” に “くせのうた”と、人の暮らしにそっと、でもしっかりと寄り添う歌ばかりだった気がする。

ライヴ終盤、新曲の”くだらないの中に”に差しかかる前だったか、星野はお客さんに向かって「何十年かあとに、デジカメとかで撮ったフジロックの写真を見て、思い出すんだろうね。そういうのが、なんかいいね。」と言ってニコニコしていた。きっとその時、彼のあたたかくて素朴な歌声も、一緒によみがえってくるに違いない。そう思ったのだった。


文:小田葉子
写真:直田亨 (Supported by Nikon)
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