小南泰葉

Gypsy Avalon | 2011/07/31 12:40 UP
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クルクルと変わる様々な声

 シンガー・ソングライター。いや、アーティストというべきだろうか。正直、しっくりくる肩書きが見当たらない。小南泰葉は、何かの型にはめられないほど、掴みどころがなく、良い意味で強烈なインパクトを残すシンガーである。彼女には、きっと普通という言葉は通用しないだろう。それほど突出した才能の持ち主なのだ。

 すらっとした雰囲気のある女性。この姿からはまったく想像ができないのだが、歌っている最中に突然グンと声量がアップし、叫んでいるとも思える迫力のある曲を聴かせてくれる。そして、また別の曲になると、ガラリと変わって息の量が絶妙に吹き込まれたファルセットを。クルクルと様々な一面を見せる姿は、役ごとに見事に演技を分ける役者のようにも思える。が、ここまで振り幅がある人に会ったのは、かなり久しぶりかもしれない。きっと初めて見る人はこのギャップに驚かさせられるはずだ。

 今回のライヴで特に響いた楽曲は、” 12月12日”。彼女の大切な人が突然亡くなってしまい、その2日後の12月12日書いた楽曲だという(その人の誕生日でもあったそうだ)。どうこの悲報を受けたのか。そして、2日間の間どういうことを想い、どう過ごしていたのか……。そんな募る想いも含めて、すべて赤裸裸に打ち明かされており、とても1度では受け取りきれない感情が流れ込んでくる。フジロック初出演ながらも、飾ることのない、彼女のありのままの姿を見ることができたように思う。

 今後はどんな形で今の音楽性を貫いていくのだろうか。そして次はどれほど意外性な楽曲が出てくるのだろうか。この先も追い続けたいと言える、アーティストが見つかったことが嬉しい。


文:松坂愛
写真:直田亨 (Supported by Nikon)
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