再結成までの道は遠いのか近いのか?
始まるちょっと前、コールドプレイの”クロックス”が流れていたので、リアム・ギャラガーは怒らないのか、いらぬ心配をしてしまった。さすがに、もう大人であるので、ごく普通に出てきて一安心。去年はサマーソニック、そしてその後の単独公演と感動的なライヴをみせてくれたので、当然期待は高まる。グリーンステージはかなり埋まっていた。
しかし、1曲目”Four Letter Word”。高まる期待をよそに、リアムの声が出てない…。あのやんちゃで張りや伸びがある声、俺様の声は世界一なんだと傲岸不遜に思い込み、それがとてつもない魅力を輝かせる声が出てないのだ。CDでは伸ばして歌うところも短く切ってしまう。不安がよぎる。グリーンステージを埋めているお客さんも今ひとつ反応が鈍い。
2曲目の”Beatles and Stones”や”Bring the Light”も変わらず。オアシスのときから演奏がライヴごとに変わっていくタイプのバンドではないけれども、リアムの不調を補うように演奏に熱が入るとか、逆にそれが伝わってボロボロになるとか、そういうことは起きない。いつものように盤石な演奏である。
そして、噂されたようにオアシス時代の曲、”Rock ‘n’ Roll Star”を披露する。イントロからお客さんも盛り上がり、たくさんの手が挙げられる。だけど、それでライヴの印象を変えるまで至らない。”The Roller”や”Standing on the Edge of the Noise”でだんだん調子を取り戻していく。そしてオアシスの”Morning Glory”。再びお客さんが盛り上がる。さすがにリアムにも意地がある、という感じで、気合いの入った声がようやく聴こえてきた。最後に「ストーンローゼスを楽しめよ」というMCとともに”Sons of the Stage”で締める。まあ、やっぱりオアシスの曲が演奏されたときの反応をみれば、「もう頭下げて兄弟仲良く…」と思ってしまうものだ。