GREEN STAGE, | 2012/07/27 23:59 UP

THE STONE ROSES

17年ぶりに放たれた煌めき

ザ・ストーン・ローゼズが、イアン・ブラウン、ジョン・スクワイア、マニ、レニのオリジナルメンバーで再結成を発表したのは、2011年10月のこと。彼らの出身地であるマンチェスターのヒートン・パークでの復活公演に加え、世界中のフェスティバルを巡る大規模な世界ツアーが発表された。そのひとつとして、日本のフジロックが選ばれたのだ。2012年のフジロックの開催日程とともに、ヘッドライナーとしてザ・ストーン・ローゼズの出演が発表されるという異例の事態になったことからも、その事の重大さを窺い知ることができるだろう。

来日は1995年以来、実に17年ぶりのことである。ただ、これまでのメンバー同士の確執や、幾度となく再結成を否定してきた背景を考えると、再結成発表記者会見で4人並んだ映像に感動を覚えつつも、心のどこかでは疑心暗鬼だったファンも少なくないことだろう。そう、自分の目で4人が同じステージにあがるのをみるまでは。

この日、彼らのTシャツを着た客が多かったことからも予想できたことだが、グリーンステージは当然のごとく超満員。4人の登場を今か今かと、待ちわびていた。ステージ転換のSEが一度フェイドアウトし、シュープリームの「ストーン・ラブ」がかかった。再結成公演では定番となっているのだが、これがステージ開始の合図だ。一人ずつステージにあがったことを確認するかのように、セッティングに入るメンバーの姿がスクリーンに映るたびに、歓声があがった。

彼らのファーストアルバムの1曲目を飾る曲でもある「I Wanna Be Adored」から、ステージは幕を開けた。相変わらずお世辞にも上手とは言えないイアンのボーカルだけども、どうやら今日はちょっと調子がよかったようだ。いや、それはファンの贔屓目かもしれないが、少なくとも歌詞の一言一言を噛み締めるように丁寧に歌っていたのが印象的だった。そこに煌めきを放つようなジョンのギター、脳天を貫くようなレニのドラム、そして唸るようなマニのベースが重なると、唯一無二のザ・ストーン・ローゼズの音が完成する。そうだ、皆この音を待っていたのだ。

そんな彼らの魅力がいかんなく発揮されたのは、中盤に演奏された「Foolds Gold」ではないだろうか。ささやくようなクールなボーカルから始まるこの曲は、中盤からインストのインプロビゼーションで熱を帯びながら展開していき、演奏時間は10分を超える。この日もジョンはビートルズの「デイ・トリッパー」の一節を加えたりと、このバンドで音を奏でることを楽しんでいるように見えた。さらには、曲終盤にはギターを掲げて観客にアピールしてみせたりも。そのときイアンが何かジョンにちょっかいを出したのだが、いつもクールでシャイなジョンが、一瞬だけはにかむ様子がみられた。再結成に至るまでは少なくとも穏便ではなかった2人の関係性を思い起こすと、思わずぐっと胸が熱くなる。

それにしても、改めてザ・ストーン・ローゼズというバンドは不思議なバンドだ。もともと彼らの楽曲は、たとえばOASISのようにド直球で万人受けするポップさを持ち合わせる楽曲ではない。そのため、ここ日本では大合唱はなかなか起こらなかった。歌はヘロヘロだし、演奏も特別上手なわけでもない。ただ、彼らが奏でる楽曲の煌めきは、ただただ眩しいのだ。そしてその煌めきは、懐かしさから得られるものではなく、今のローゼズから放たれているもの、そのものなのだ。

ライブ終了後に4人が肩を組んだ姿をみたときに、改めて思った。日本を、そしてフジロックを選んでくれてありがとう。

〜セットリスト〜
01. I Wanna Be Adored
02. Mersey Paradise
03. (Song For My) Sugar Spun Sister
04. Sally Cinnamon
05. Ten Storey Love Song
06. Where Angels Play
07. Shoot You Down
08. Fools Gold
09. Something’s Burning
10. Waterfall
11. Don’t Stop
12. Love Spreads
13. Made Of Stone
14. This Is The One
15. She Bangs The Drums
16. I Am The Resurrection


写真:熊沢泉・文:本堂清佳
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