GREEN STAGE, | 2012/07/29 13:25 UP

CHTHONIC

見事なコラボレーションも炸裂した12年ぶりのフジロック出演

メタリカ、メガデス、パンテラ、ドラゴンフォース、スリップノットなどなどのメタル系Tシャツ姿の人々が、今か今かと登場を待ちわびている。サプライズといえばサプライズだろう。彼等が12年ぶりのフジロックへの帰還。ステージ後方の『CHTHONIC 高砂軍』の文字が存在感を放つなかで、台湾のブラック・メタル・バンドのCHTHONICが昼間のホワイトステージを制圧する。

定刻の13時25分を回ってSEの”The Island”が流れだすと興奮は高まり、観客はメロイック・サインでドラマーから順々に登場するメンバーを出迎えている。中でもその美貌に定評のあるベーシスト、ドリスが登場した時は人一倍の大きい歓声が沸き起こっていたのが印象的だったろうか。

そして始まったライヴは”Oceanquake”からで、重厚なリフと激しいデス声が苗場の空にいきなり轟く。さらにヴォーカルのフレディは日本人の心を鷲掴みにするような二胡(中国の伝統的な弦楽器の一種で、2本の弦を間に挟んだ弓で弾く)を演奏して、楽曲に独特の響きを加えている。アグレッシヴなサウンドからは危険だとか邪悪というエネルギーをもちろん感じるけれど、彼等はそういった伝統楽器を重んじることで、ヘヴィ・メタルに新風を吹き込んでいる。

さらに”Southern Cross”や”Broken Jade”といった曲を繰り出すなかで、ヘッドバンキングやモッシュが客席では大盛況。さらにはダイヴも飛び出す始末で、ステージ付近の盛り上がりはかなりのものがあった。メンバーもステージを所狭しと駆け巡り、「オイ!オイ!オイ!」と煽っては観客との一体感を深めていく。時折、不敵な笑みを浮かべながら重い五弦ベースを演奏するドリスは、セクシーな衣装で男たちの視線を釘付けにもしていた。

『コンニチハー フジローーック』
『ウィー・アー・ソニック!!フロム・タイワン』

ところどころのデス声でのMCも軽快。演奏中もフジロックという単語を連呼するなど、久しぶりの出演に対する喜びと感謝の気持ちも伝わってきた。ヴォーカリストのFreddyは、演奏中にステージから客席の方をiPhoneで動画撮影も行なっていて、この壮観な眺めに興奮を隠せない様子。今回のフジロックは彼等にとってもきっと宝物になっていることだろう。

終盤からはゲストが続々と参加して、CHTHONICのひさしぶりとなるフジロックに華を添える。まずは、「テンサイ、コトプレイヤー、シン・イチカワー!」という紹介から琴奏者の市川慎が”TAKAO”から登場。流麗な琴の旋律がより叙情的な色合いを深めていく。さらに驚いたのは、同曲の終盤で登場した元K-1の武蔵である。もともと、メタラーの間ではメタル好きと認知されている彼が、おもいきったデス声で加勢。なんとも壮観なステージに会場はどよめいていた。終了後には、武蔵コールを背に「ありがとうぉー」の叫びとともに彼はステージを後にする。

そして最終曲の” Quell The Souls In Sing Ling Temple”では続けて、市川慎が参加。曲の終盤からは、日本人より日本人の心を持つ元メガデスのギタリスト、マーティ・フリードマンが参戦して再びどよめきが起こる。出てくるなり彼は、日本人の心に響くような泣きのギター・ソロを弾き、その後も主役級の活躍を短時間で見せて存在感を放った。フジロックならではの夢のようなコラボレーションによるド迫力のクライマックスは、見ていたもの全てに新鮮な驚きを与えてくれたと思う。

演奏終了後は、武蔵を再び加えての8人で、メロイック・サインでいっぱいの客席を背にして記念撮影。12年ぶりのフジロックのステージで最高の興奮を届けてくれた。


写真:中島たくみ 文:伊藤卓也
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