FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTGREEN STAGE7/27 SAT

怒髪天

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Photo by 古川喜隆 Text by 坂本泉

Posted on 2019.7.27 12:20

結成35周年! これからも「人生を背負って大ハシャギ」

頭上を雲が覆い、そよぐ風は涼しいが、時折厳しい太陽光が差し込んでくる。あちこちでトンボが飛んでいる。そんななか、二日目グリーンステージの最初を飾ったのは、結成35周年を迎えた怒髪天。自らの音楽性をJAPANESE R&E(リズム&演歌)と称し、独自のロックンロール道を邁進してきた彼らが6年ぶりにフジロックにやってきた。

大音量の『出囃子 男祭』が轟き期待に胸を膨らませた観客の手拍子に導かれて、怒髪天が登場。さあ、祭の始まりだ! 増子(兄ィ)がぴっちりと分けられた七三分けのヘアをコームでとき、そのコームを観客に向かって投げる。そうして始まったのは“裸武士”。顔を真っ赤にしながら、のっけから男臭さ120%フルスロットルで飛ばす増子兄ィに負けじと、ステージ前を中心に男も女も「スッポンポン」「スッポンポン」と叫び、踊る。増子兄ィが拳を振り上げると、自然と自分の拳にも力が入る。ステージ上のメンバーたちの顔はイキイキと輝いていて、いつまでも見ていたくなってしまう。

怒髪天の曲には、まるで自分のことを歌っているのかと思うことが多い。“酒燃料爆進曲”に心が震え、「酒やけがやけにしみた、フジロックの空~!」と、仰ぎ見た空は眩しかった。増子兄ィが天を指差し、空を仰ぎ見ながら始まった“GREAT NUMBER”では、サビの「生きる~!」で、地響きのような「うおおおおおー!」という声が。

「あい、よくきた! 今年で結成35周年です」と話す増子兄ィに、場内からは盛大に拍手が送られる。「フジロックが決まったとマネージャーから聞いた時、“一番広いステージだよね。なんで断わんなかったの?”って。昨日ケミカルブラザーズを観にきたらヤベー盛り上がりで、出番前なのにわけわからん日本酒いっぱいもらったよ。グリーンステージの最低動員数記録を作るんじゃないかと思って気を利かせて中継ないのかと思ったけど、これなら大丈夫そう! 俺がいずれ総理大臣になった時には、今観てくれてる人は消費税0%! 今通りすぎていった人たちは20%ね!」と“らしさ”満点のMCに爆笑の渦が巻き起こった。

続々と代表曲が演奏されるなか、「元号が変わり新しい時代に移ったことに期待なんかしていないけど、願わくば未来に幸あれと信じたい」と歌った新曲も披露された。せっかくなのでみなさんの知っている夏の曲をやりましょうとやった『夏の扉』は、最後に「夏の扉を〜〜、開けたっ!」と扉を力でこじ上げるパントマイムもあったり、なんとも「フレッシュ!」さを感じない男臭さ溢れたものに仕上がっていた。「35周年を祝って、お手を拝借!」と手拍子で勢いをつけ、ラストに歌ったのは“オトナのススメ”。曲に合わせて「オトナはサイコー!」と叫ぶのがとても気持ちいい。ステージ上で歌うメンバーたちの姿を見て、こんなオトナになりたいなと思ったのは私だけではないだろう。「人生を背負って大ハシャギ」と歌うように、怒髪天は結成から35年を経てもなお、好奇心を最優先にした怒髪天流の活動をしていくのだろう。

[写真:全10枚]

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