FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTGREEN STAGE7/28 SUN

Special Guest:G&G Miller Orchestra feat.トータス松本

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Photo by MITCH IKEDA Text by 坂本泉

Posted on 2019.7.29 06:41

ソウルフルなセットで賑やかな有終の美を飾る!

最終日の午前0時。いよいよ今年のフジロックが終わる時間が近づいてきた。2016年にフジロック20周年を記念して結成されて以来、グリーンステージ締めの顔となった総勢18名の混成ビッグバンド、ジー・アンド・ジー・ミラー・オーケストラの登場だ。

今年は日本のソウル界が誇るシンガー、トータス松本をゲストに迎え、スイングジャズ界の巨匠、故グレン・ミラーが世に送り出した名曲と国内外の名曲を織り交ぜたソウルフルなセットで賑やかに締めくくる。

暗転したステージに、ロケットが打ち上がり、人類が初めて月面を歩いたとされる映像が流れる。「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」というニール・アームストロングのあまりにも有名な言葉を受けて、ジャズのスタンダード・ナンバー“フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン”で幕を開ける。フランク・シナトラがカバーして爆発的にヒットしたが、元々は作詞・作曲家のバート・ハワードによって制作された楽曲だ。

そして今夜のゲスト、トータス松本が意気揚々と登場する。光沢のある水色のスーツに、濃いめの柄シャツにピンクのネクタイを合わせ、胸ポケットには黄色のチーフを挿れている。なんともイカした着こなしだ。マーヴィン・ゲイの“スタバーン・カインド・オブ・フェロー”、オーティス・レディングの“ハード・トゥ・ハンドル”を立て続けに熱唱。オリジナルよりも早めにテンポをアレンジしたゴキゲンでファンキーな曲調がよく似合う。ローリング・ストーンズの“サティスファクション”を歌えば、「苗場!苗場!」というシャウトに歓声が上がる。

一度ステージを後にし、再び現れたトータスが歌ったのはジェイムズ・ブラウンの“イッツ・ア・マンズ・マンズ・マンズ・ワールド”。先ほどまでの雰囲気とは一変して、体の奥底からこみ上げてくる感情を振り絞るように、しっとりと力強く歌い上げる。観客から「最高ー!」と賛辞が投げ掛けられ、トータスからくしゃっとした笑みがこぼれた。明るい曲調の中で深刻な社会問題を歌ったメッセージソング“ワッツ・ゴーイング・オン”と、グルーヴィな“アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイアー”を挟んで、「最後にバコンと歌わして、おれに! 歌うぞ、苗場!!」とトータスが歌ったのは“ツイスティング・ザ・ナイト・アウェイ”。完全燃焼しようとするように、ステージ前を中心にツイストダンスを踊る人たちの熱気が溢れた。

クリス・ペプラーが登場してメンバーを一人ひとり紹介して、「来年またここで会いましょう!」と会場に語りかけると、いよいよ今年のフジロックが終わってしまうことを痛感してさみしさが一気にこみ上げてくる。

最後は“ムーンライト・セレナーデ”でお別れ。昨年もこの曲が最後に演奏されたことを思い出し、まるで卒業式で聴く『蛍の光』のような気分になってくる。あいにくと雲に覆われた空に月は見えなかったが、ステージ中央のミラーボールが月のように輝き、周囲に星を撒き散らしているような美しい光景が広がっていた。

今年もたくさんの出会いや感動と出会えた3日間だった。始まりがあれば終わりがあるように、終わりがあれば始まりもある。さあ、今ここから、来年のフジロックまでのカウントダウンを始めよう。

[写真:全10枚]

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7/28 SUNGREEN STAGE