LIVE REPORTWHITE STAGE7/26 FRI
LUCKY TAPES
幸せでいっぱいの幕開け!
いよいよ始まったフジロック2019!ホワイトステージの幕開けを任されたのは、LUCKY TAPESの面々。彼らは2016年にレッドマーキーに出演して以来、3年ぶりとなる登場だ。あのころよりも曲は増え、話題性は増し、アンサンブルは強固となり、バンドとしての経験値を沢山積んで帰ってきた先は、ここ、ホワイトステージ!
LUCKY TAPESといえば、サポートを加えて総勢9人という大所帯。メンバーが続々とステージに上がるなか、あれ?今回はひとり多い気がする……と思っていたら、Tempalayで出演するAAAMYYYの姿を発見!じつは今回は、AAAMYYYをコーラスに加えた、10人編成のスペシャルステージとのこと。思わぬゲストの登場にニヤニヤしていると、やがて、ラッキーホーンズ(ホーン隊)の面々がやわらかな音色でイントロを鳴らし始め、高橋海(vo,key)の透き通った声が、軽やかに駆けだす。“Lonely Lonely”だ。原曲ではCharaを迎えたこの曲、AAAMYYYがその役目を務めるのだが、うれし恥ずかし、初々しさも感じられる歌い口で、曲を見事に彼女のものとしていた。またAAAMYYYは“レイディ・ブルース”でサポート・メンバーのUKO(cho)とともにコーラスを歌うシーンも。UKOのダイナミックな立ち振る舞いと歌声は、AAAMYYYの対となる存在で、お互いのハマり具合がちょうどいい。
ライヴ定番曲の“balance”は安定して盛り上がるし、「1、2、3、4!」の掛け声が、ステージとオーディエンスをひとつにしてくれる。ベースの唸りから始まった“Punch Drunk Love”は、ホワイトステージお得意の低音が効いていて、高橋の甘くセクシーな歌声も含めると、このバンドの底にあるブラック・ミュージックの感覚が浮き上がってくるのを感じた。
…そんなことを考えながら自由に体を揺らしていたのだけれど、もはや彼らの音楽の前ではどんなジャンルも対等だ。それを自由にかき混ぜてくれるセンスのよさも、ハッピーでときどきメロウな音楽性とか、あらゆる楽器のソロ・パートが聴けるセッション的楽しさも、たっぷり幸せを蓄えている。一緒に口ずさんでいる女性、仲良く体を揺らすカップル、「最高~!」と言っている男性数名。まわりをみるだけでも、こんなにハッピーで、風通しの良い音楽が鳴っている。それで、ここは苗場。最高じゃない?
ゆったりと時は過ぎていったが、とくに終盤は空気が変わって、パリッと新鮮な様子だった。その理由は「新曲もってきました!」というMCで始まった新曲“Actor”。背中を押してくれるような前向きなホーンセクションと、2・4拍で鳴らされるフィンガースナップのようなパッチン音。観客は手を右に左に動かすなど、その踊りやすさに大きな盛り上がりを見せる。そしてラストの“JOY”が終わるまで、最後のバッキングまで、バンド全体が全力を鳴らし、最後まで走りぬけた。全8曲でも演奏はあっという間!退場する彼らの笑顔と、余裕のある立ち振る舞い。まだまだ上を突き進んでいく彼らを次はヘブンで観たい、そう思った。
[写真:全10枚]