FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTWHITE STAGE7/27 SAT

DEATH CAB FOR CUTIE

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Photo by 平川啓子 Text by 若林修平

Posted on 2019.7.27 23:15

デスキャブの本質を再確認した時間

今やUSインディーロックシーンを代表するバンドとなったデス・キャブ・フォー・キューティー。それまでずっとバンドのギター/キーボード兼プロデュースを行ってきたクリス・ウォラが2014年9月のライブを最後に脱退し、バンドに衝撃が走った。その後、2015年にそれまでサポートメンバーだったデイヴ・デッパー(Gt./Key.)とザック・レイ (Key./Gt.)がバンドに正式加入を果たした。そして、今年5人体制としては初のアルバム『Thank You For Today』をリリースし、7年ぶりの来日ライブを初のフジロックで飾ることとなった。

これまでずっと彼らの活動を観てきたファンの中には、正直辛さや複雑・不安な気持ちを抱えている人もいると思う。なぜなら「新しいデスキャブは大丈夫!」という確信が持てずにいるから─。それならばライブで確認すればいい。いや、確認したい!ホワイト・ステージには、豪雨にも関わらず新生デス・キャブ・フォー・キューティーを自分の目で確認するために多くのファンが集まった。

豪雨と川の水位上昇に伴い15分早い21時45分(※)に開始となったライブは、新作から緩やかでリズミカルなナンバー“I Dreamt We Spoke Again”、そして前作『金継ぎ』から“The Ghosts of Beverly Drive”という“クリス脱退以降”の2曲でスタートした。旧作から疾走感溢れる“Long Division”、ミドルテンポのセミ・バラード“Title and Registration”と続き、再び新作からミニマルだが壮大な広がりのある“Gold Rush”、さらに旧作からギターポップな“Crooked Teeth”と、この辺から彼らの“現在位置”が少しずつ見え始め、次の展開でこの日のライブにおけるひとつのキーポイントを迎えた。ベンが弾くピアノの旋律と歌が美しい“What Sara Said”と、同じベンの弾き語りによる“I Will Follow You Into the Dark”だ。クリスのアンビエントなアレンジなしのこのセクションで、ベンは存分に自分たちのグッド・メロディな歌を見事なまでにエモーショナルに歌い上げていたのだ。この姿にある確信が芽生え始める。そして、その“確信”はラスト2曲“Soul Meets Body”と“Transatlanticism”で確固たるものになった。

「デスキャブは大丈夫だ!」

その確信に起因しているのは、その神がかったセットリストだったというのはありつつも、それよりも重要となったファクトは「彼らが自分たちの信じる音楽を堂々と鳴らしていた」と言うこと。音の後方にアンビエントな空気が存在するクリス在籍時の曲と、クリアでパキッとした音感のあるクリス脱退以降の曲の共存。そして彼らの楽曲の根幹にある良いメロディ。どちらも最高にエモーショナルにプレイされていたのだ。この事実が、僕らを最高に興奮させてくれたし、何より「これがデスキャブだ!」という確信をくれた。しかし、おそらく彼らはまだまだ満足していないだろう。「まだできるはずだ!もっとやれるはずだ!」。新しいプロデューサー、リッチ・コスティにもらったこのマインドによって、彼らはもっと成長していくに違いない。

(※)豪雨と川の水位上昇に伴い、22:00〜23:30から21:45〜23:00に変更となった

<セットリスト>
01 I Dreamt We Spoke Again
02 The Ghosts of Beverly Drive
03 Long Division
04 Title and Registration
05 Gold Rush
06 Crooked Teeth
07 No Sunlight
08 What Sarah Said
09 I Will Follow You Into the Dark
10 I Will Possess Your Heart
11 Black Sun
12 Northern Lights
13 Cath…
14 Soul Meets Body
15 Transatlanticism

[写真:全10枚]

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7/27 SATWHITE STAGE