FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTWHITE STAGE7/27 SAT

COURTNEY BARNETT

  • COURTNEY BARNETT
  • COURTNEY BARNETT
  • COURTNEY BARNETT
  • COURTNEY BARNETT
  • COURTNEY BARNETT
  • COURTNEY BARNETT

Photo by Taio Konishi (Official Photo) Text by 阿部仁知

Posted on 2019.7.28 20:05

雨を切り裂いたギターヒーロー

大雨が降ったり、急にやんでまた降ったりする、不安定な気候の午後4時。ホワイトステージに駆けつけた時には大雨が降り出し、待っている人達も心なしか動きが重いが、白いタンクトップ姿で現れた彼女を見て一気に湧き上がる。オーストラリアのシンガーソングライター、コートニー・バーネットの登場だ。

ギターを弾く姿がなんて様になることだろう。気怠げな雰囲気を漂わせながらも、“Avent Gardener”のギターソロを弾くコートニーのハマり具合に思わず「カッコいい…」と何度もつぶやいてしまう。口ずさむ人もちらほらいて、雨の中でも彼女のパワフルなプレイにのせられて、ホワイトステージのテンションは上がっていく。

ピックを使わずにストロークをする独特のスタイルで、カラッとしたギターサウンドを奏でるコートニー。左利きなこともあって、よくカート・コバーンが引き合いに出される彼女だが、“Need a Little Time”の退廃的な叙情を思うと、確かに彼の姿がダブるかもしれない。

キラーチューン“Nameless, Faceless”が投下されると、ボルテージは急上昇!身体を投げ出すような動きで、コートニーがキレのあるギターを叩き込むと、オーディエンスは応えるようにシンガロングしながら手を振り上げる。ああ、かっこいい…。そして、日本語で「大好き…」なんて呟くコートニー。これにはさすがにみんなドキッとして、一瞬遅れて歓声があがる。

“Depreston”、“Elevator Operator”と続けた頃には雨があがって、さっきまで以上にガンガンのりだすオーディエンス。最新曲”Everybody Here Hates You”では、楽しそうにする僕らの姿を見て、コートニーから思わず笑みがこぼれる。そして、荒々しくギターロックの衝動をぶつける“Pedestrian at Best”は今日一番の盛り上がり。最高潮のまま、コートニーは駆け抜けていく。あえてヒロインという必要もない。僕らの胸を熱くさせる彼女の姿は、最高のギターヒーローだった。

[写真:全3枚]

TAGS
7/27 SATWHITE STAGE