FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTWHITE STAGE7/27 SAT

ZOO

  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO
  • ZOO

Photo by 平川啓子 Text by 坂本泉

Posted on 2019.7.27 16:59

盛大なラテンハウスパーティーに踊り狂う!

毎年メスティソ枠を楽しみにしている人もいるだろう。今年やってきたのは、スペインはバレンシア発のデジタルメスティソバンドのZOO(ソオー)だ。今回初来日したバンドなのだが、どうも見たことのある顔がある。それもそのはず。以前フジロックに出演したオブリント・パスやラ・ゴッサ・ソルダに所属していたミュージシャンがメンバーにいるのだ。バレンシアのレベルミュージックシーンのパイオニアたちが新たに結成したこのバンドは、ギター、ヴォーカル、ベース、トロンボーン、サックス、パーカッション、打ち込みという編成。デビューシングル『Estiu』を発表するといきなりYouTubeで442万のアクセスをたたき出し、2018年に発表したシングル『Omerta』はYouTubeスペインの閲覧者数1位に。彼らがヨーロッパで演奏すれば、たちまち数千人規模の盛大なラテンハウスパーティーの会場となるほどに絶大な人気を誇る。

「こんにちは、フジロック! 盛り上がって~!」と、ひとたび曲が始まれば、ラテンの陽気なサウンドにいてもたってもいられず身体が動く。トニとアルノーの繰り出す快活な響きのスペイン語リリックの応酬に、高らかに歌うホーンセクションが気持ちいい躍動感あるバンドの音。頭上を覆う厚い雲を吹き飛ばすかのように音が弾ける。目を閉じればここはスペイン、燦々と太陽が輝いている。

ロックにラップ、レゲエ、バレンシア民謡に地中海のブラックビーツ、スカやジャングル、エレクトロなどを融合させた彼らのデジタルメスティソスタイルのサウンドに、道行く人もどんどんと引き寄せられて気づけばホワイトステージを多くの人が埋め尽くしている。「やばい! めっちゃいい!!」「どこのバンド? 南米あたりかな?」などと話す声が聞こえてくる。道すがら見かけたおもしろいアーティストに出会えることもフェスの楽しみのひとつ。こういう瞬間に立ち会えるたびに自分自身もうれしくなってしまう。そうして集まったオーディエンスをさらに高めてくれる絶妙な煽り。さすがベテランバンド、アップテンポな曲ではバウンス、スローなナンバーでは水面をゆらゆらと漂うように場内を揺らす。終盤には「さよならの時間だ、フジロック。腰を低くしてー!」と、音を絞りつつ、オーディエンスをしゃがませてその後一斉にジャンプし同時に再び音を炸裂させる! 一体となったオーディエンスは盛大なラテンハウスパーティーの空気に酔いしれ、踊り狂った。

[写真:全10枚]

TAGS
7/27 SATWHITE STAGE