LIVE REPORTRED MARQUEE7/27 SAT
ALVVAYS
おれの好きな要素だけでできているバンド
ALVVAYS(オールウェイズ)のライヴを初めて観たとき、「おれの好きな要素だけでできているバンドだ!」と感激した。声、メロディ、サウンド全て、ギターポップが好きだった者にとっては好きになることしかできないバンドである。
ヴォーカル&ギターのモリー・ランキン。甘く伸びやかでよく通る声はそれだけで才能だ。その声でもってポップで印象的なメロディを歌われると、心を射抜かれしまう。キーボードのケリー・マクラーレンは眼鏡っこで黙々とキーを押さえる。萌える。アレック・オハンリーによるギターはギターポップ好きど真ん中の音をだす。ときに軽やかに、ときにシューゲイザー的に弦をかきむしる。ブライアン・マーフィーのベース、シェリダン・ライリーのドラムはヴォーカルとギターを生かすために徹したプレイをする。ドラムはたまに「ダカダカダカダカ!」と入れるフィルインが少々重くしたオルタナ版森高千里というか、このタイミングで入れたら気持ちいいー!を実践している。
レッドマーキーは雨もあるだろうけど人がいっぱいであまり先に進めなかった。登場時から歓声が上がって、フジロックが歓迎していることをバンドに伝える。まずは“Hey”からライヴはスタートする。ステージ背後には白地に黒で「ALVVAYS」という文字が映しだされていた。照明は背後から当てられることが多く、全体的に暗いので顔がよくみえなかった。演奏はびっくりするくらい生き生きとしていて、音が躍動していた。“Adult Diversion”に湧き上がる歓喜の声。曲によってはフロアの人たちの手が上がり、満員のレッドマーキーは夢見心地な時間に浸っていた。選曲は2枚のアルバム、特に2nd『ANTISOCIALITES』中心に、ザ・ブリーダーズ“Divine Hammer”のカヴァーも演奏する。
途中アレックが「リードヴォーカリストが誕生日なんだ」というと「52歳よ、ベンジャミン・バトン(老人として生まれ、年を経るごとに若くなる男の小説/映画の主人公)なの」とモリーは冗談で返し、会場を和ませた。
この日のハイライトは“Archie, Marry Me”からラストにかけてだろう。レッドマーキーの外が過酷な状況になっているので、なおさら軽やかに駆け抜けたり、フワフワ浮かんだり、キレイで夢のような時間はいつまでも続いてほしいと思った。
セットリスト
Hey
Adult Diversion
In Undertow
Plimsoll Punks
Lollipop
Not My Baby
Interlude
Forget About Life
Your Type
Ones Who Love You
Divine Hammer
Atop a Cake
Echolalia
Archie, Marry Me
Dreams Tonite
Saved by a Waif
Party Police
Next of Kin
[写真:全3枚]