LIVE REPORTRED MARQUEE7/27 SAT
SUNSET ROLLERCOASTER
あさイチのレッドに心地よい風
フジロック2日目、あさイチのレッドマーキーの1発目のバンドが落日飛車(サンセット・ローラーコースター)でよかった。開演した10時20分ごろは、日が差していて気温も上がっているという状況。そんな蒸し暑さの中で清涼な風を運んでくれたからだ。
この時間のバンドとしては異例とも思えるくらいレッドマーキーに人が入っていた。英語と日本語と台湾語でMCをしたときの反応で、おそらく地元である台湾からのお客さんたちが多く来ていることがわかる。
入場のときにはザ・クラッシュの“Clampdown”がかかっていた。まずは“Vanilla”でゆっくりと立ち上がる。ステージ下手から王少軒(キーボード)、羅尊龍(ドラムス)、陳弘禮(ベース、キーボード)、ステージ中央に曾國宏(ヴォーカル、ギター)、黄士偉(パーカッション)、謝明諺(サックス)と並ぶ。前日から残った気怠さが漂っている会場にふさわしい柔らかさ。続いてテンポが上がって“Villa”。さわやかである。ステージ背後のスクリーンには、ミルクに落ちる果物をスローで撮影したものや、ロケットや宇宙ステーションや天体が映しだされていた。
中盤に演奏された“Almost Mature’87”は、印象的なシンセサイザーの音色から始まり、ノスタルジックなメロディでレッドマーキーを包み込む。国も違うし言葉も違うけれど、ライフスタイルや音楽の趣味に共通点がある、世界中にそのような人がいるというつながりを感じることができる。自分の感じるノスタルジーは彼らのそれとは違うかもしれないけれど、どこかで一致することを見つけることができた、そんな喜びが伝わってくる。時折レッドマーキーの壁のすき間から風が吹いてきてさらに心地よい。
そしてラストの“My Jinji”では、おしゃれなだけでなく、ディープな音をだしてくる。ドラムの響きは完全にダブで、演奏も徐々に熱を帯びてきて、フロアも盛り上がっていった。もちろん母国からの応援があるのだろうけど、終わってレッドマーキーから引き上げるときに「よかったね」という日本語がいくつか聞こえてきたので、次はフィールドオブヘヴンの夕暮れに登場してほしいと思った。
セットリスト
Vanilla
Villa
Summum Bonum
Almost Mature ’87
Burgundy Red
Greedy
Slow
My Jinji
[写真:全9枚]