FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTRED MARQUEE7/28 SUN

平沢進+会人(EJIN)

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Photo by 平川啓子 Text by 梶原綾乃

Posted on 2019.7.29 01:05

ラスボス登場!入信必至の大パフォーマンス

全国の平沢進ファン…いや、馬の骨(=ファンの通称名)の方々、ついにである。さぞ待ったことだろう。フジロック最終日、ついに私たちは、この瞬間を迎える。そう、平沢進師匠が、今日、フジロックに出演する。

思えば、師匠がTwitterを始め「間違えてないか?私は平沢進だぞ。平沢唯じゃない。」とつぶやいたあの衝撃から約10年。気がつけば、リアルタイムのP-MODEL好きから、解散後に掘り当てたニッチな音楽オタク、「けいおん!」や、その他アニメ・ボーカロイドなどに精通したオタク、イラストや作曲などを得意とするアマチュアクリエイターまで、あらゆる人たちがその不思議な魅力に心酔。気づけばここ数年で、馬の骨を名乗る人口は遥かに増加していた。ヒラサワ・ウイルスはいま、パンデミック状態にある。今日のために初めて苗場の地を踏んだ者、泣く泣く在宅での応援を選んだ者もいる。すべての想いを受け止めたエネルギーは、強大なサーフ・エレクトロンとどう対峙するのか?

白い烏天狗のような面をした「会人」と呼ばれる2人(2匹?)を両サイドに従え、真っ黒な衣装を身にまとった白髪の紳士・平沢が登場。その手前にはレーザーハープと呼ばれるものが弦をキラキラと光らせていて、後ろにはテスラコイルが置かれている。その異質な空間にて、まず鳴らされたのは“town-0 phase-5”。湧き上がる歓声&合唱、湧き上がる感情。ただ呆然と立ち尽くしていたが、ここで実感する。ここ苗場で、平沢進が歌っているのだ!

低音の厚み豊かに組み立てられた“フル・ヘッ・ヘッ・ヘッ”や、冒頭の声真似が楽しい“聖馬蹄形惑星の大詐欺師”、シンセサイザーの荘厳な響きがこだまする“Adios”など、彼の音楽は想像以上にダンサブルなアレンジがされており、ここレッドマーキーの雰囲気と相まってテンションは上がるばかり。平沢の無機質な歌声と「高らかに宣言する」ような歌い方は生で聴くとより刺激的である。

“夢見る機械”に突入すると、テスラコイルに変化が。楽曲のタイミングよく発せられる細い電流とその音は、見事に曲の1部であり、演出としても成り立っていた。セリフと歌詞が混ざったような曲であることから、ミュージカルのようにも感じた。

背景に「救済の技法」ジャケットの赤い長方形が映し出されると、“AURORA”、続いては“白虎野”と人気曲を次々にドロップ。“白虎野”では、あのコラージュ・チックなイントロが平沢の弾くハープから鳴らされる。そのしなやかな手先の動きは美しく、惚れ惚れする。彼の指先ひとつで、大地は揺らぎ、海は割れるのではないか?あなたは教祖、いや神なのか?

アンコールには“回路OFF回路ON”を、会場の皆で手を挙げ、合唱しながらフィナーレ。あっという間の13曲、しばらく思考が停止するような驚きと衝撃に満ちた時間だった。初登場にしてメインステージのトリを飾るそのキャリアの長さと貫禄、さすがである。

私たちは、有難いものを見せていただいた。彼を1ミリも知らない観客でも、その強烈なインパクトは頭にこびりついて離れないだろう。ああ、入信必至の大パフォーマンス!これからも大好きだ。ありがとう。

[写真:全10枚]

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