FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTRED MARQUEE7/28 SUN

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Photo by 平川啓子 Text by 石角友香

Posted on 2019.7.28 15:56

澤部は言った。「今日は始まったばかりです!」

昨夜の豪雨が嘘のように青空が覗き、すでにレッドマーキーの屋根は熱されている。丁寧なサウンドチェックを行う10時10分頃には随分人が集まり始めた。

トレードマークの白シャツを着た澤部渡(Gt/Vo)も、メンバーの佐久間裕太(Dr)、佐藤優介(Key/カメラ=万年筆)、岩崎なおみ(Ba)も、どこか大学の音楽サークルのような、ポップ・ミュージック同好会的なムードを醸し出す。おこがましいが友人を応援するような気持ちもなくはない。(パーカッションのシマダボーイはケレン味のあるたたずまいだが)。

名曲しかないスカートが朝一のレッドマーキーに選んだオープナーは「何もなくてもきみがいるなら歩いていける」と歌う“君がいるなら”だ。冒頭はアッパーな選曲で、シンガー&ギタリストとしても抜群のセンスを持つ澤部のライブ・アーティストの側面がぐっと前にでる。なんたって良い音のテレキャスターを、切れ味鋭くカッティングする様子は、“セブンスター”の間奏でウィルコ・ジョンソンを思い出させたぐらいなのだから。頭3曲の力演に「カッケー!」と小さく叫んでしまった。自分でも驚くが、バンドのアンサンブルがそう言わせる。

アコースティックギターに持ち替えた澤部は「いやー、ありがとうございます。こんなに集まってくれて。みんな早起きだね。昨日、大雨で大変だったでしょ?今は晴れてるけど。フジロックは2回目で、今回はレッドマーキーに出させてもらって(話の途中)、うわー、人増えてきた!こりゃ歌うしかないね!」とドラマーの佐久間に同意を求める。聴かせるタイプの曲をまとめたブロックでは、午前のレッドマーキーとは思えないぐらい、オレンジの照明が似合い夕焼け感が立ち上がる新作のタイトルチューン“トワイライト”が丹念に演奏され、いい意味で日常的に自分がいる街のことを思い出した。それも悪くない。明らかに澤部のメロディやコード進行のパワーだと思う。

40分のセットでも様々な景色を見せてくれるスカートの曲の多彩さ。おなじみのペパーミントグリーンのリッケンバッカーに持ち替えての“CALL”ではオルタナティヴなギターバンドの趣きをベースの岩崎の重いサウンドとともに作り出した。

「早いもんで我々の演奏はあと2曲なんですが、みんな見たいものたくさんあるでしょ?」と澤部が言うと、佐久間が「ジェイムス・ブレイクも見たいし、クルアンビンも見たいし」と、完全に我々と同じ心境を話す。終盤はグルーヴィに“ストーリー”、そしてイントロで大歓声が上がった“静かな夜がいい”で、フジロック最終日を楽しみ尽くそうとするオーディエンスを祝うように、タイトな演奏を決めた。

「まだ今日は始まったばかりです!」――フジロックを愛してやまないフロントマンの素直な言葉に、みんなの今日も動き出したのだった。

[写真:全10枚]

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7/28 SUNRED MARQUEE