LIVE REPORTRED MARQUEE7/27 SAT
JONAS BLUE
若きカリスマDJの重低音に踊り狂わされたレッドマーキー!
超満員のレッドマーキー。土砂降りの雨だからこそ、屋根のあるステージに人が集まってくるのは自然なことかもしれないけれど、直前のグリーンステージにはMARTIN GARRIXが出演していたことも要因として挙げられただろう。「踊りたい!」という雰囲気が、広い空間のなかに充満していた。それもそのはずで、Jonas Blueといえば、2018年5月にリリースした“Rise”では日本国内の主要チャートを総なめし、今年3月に行われた来日公演もチケットは早々に完売している。急速に世界で知名度を上げているが、日本でも今もっとも注目を集めているDJといっても過言ではないはずだ。
正方形をくりぬいたような形の大掛かりなスクリーンがでかでかと置かれている。自身の名前が背後に映し出され、中央に配置されたDJ卓に向かって颯爽と歩いていく、Jonas Blue。イントロの時点で、この日一番の雨にも関わらず、周囲の音をすべてかき消すほどの大きな音に、観客もすでに大盛り上がり!低音が体の芯にまで響き、凄まじい歓声が上がる。
まずは、“By your side”。爆音に合わせてクラップ&ハンズ!途中では前がまったく見えなくなるほどのスモークの嵐に、レッドマーキーのボルテージはみるみるうちに上がっていく。
ここにいる人たちは、日中から遊びまわり、雨に体力を奪われながらも踊りたい馬鹿ばかりが集まっていたはずだ。自身の曲の合間には、Daft Punkのヒット曲である“One More Time”やThe White Stripesの“Seven Nation Army”に、Billie Eilishの“Bad guy”のマッシュアップ!こんな選曲、盛り上がらないわけないだろう!ベッタベタ?いやいや、だからこそいいんです。惜しみのない低音は決して不快ではなく、むしろ心地のよいほど。
“Perfect Strangers”、“Ritual”、“In Your Arm Tonight”とヒット曲を飛ばし、まだまだ攻めている。今回のステージは、1時間半とフェスにしては長丁場。盛り上がり方といえば、クラップ&ハンズにジャンプと至ってシンプルではあったけれど、どうしてこんなにも気分が高揚し、盛り上がらずにはいられないのだろう。先ほどまで疲れていたはずの身体が、ステージから鳴らされる大きな音を聞く度に、少しずつ体力を取り戻していくようであった。
ゲストを呼びつつの“Mama”に、日本国旗の大きな旗を振りながらマイクを持ち、ステージギリギリにまで出てきてくれた“What I like about you”に、最後にかかった“Rise”。歌ものやアンセムを含めてさまざまなジャンルがレッドマーキーを包み込んだ、Jonas Blueのステージを見ていると、トロピカルな雰囲気に「ああ、やっと夏が来たんだな」なんて思ってしまう。贅沢なほどの重低音にギラギラした照明、そして無駄遣いを心配するほどのスモークの量!時間は深夜1時を回ったが、手をたたき、飛び跳ね、踊り、フェスらしい暑さを取り戻したようだった。
[写真:全10枚]