LIVE REPORTFIELD OF HEAVEN7/26 FRI
OAU (OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)
アイルランドと郷愁
開演予定時刻の約10分前にフィールドオブヘヴンに着くと、ちょうどOAU(OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)はサウンドチェックをしているところだった。すでにヘヴンは満員に近く、あまり前へ進めない。さっきまで雨が降っていたのも止んで過ごしやすくなった。
15時40分、改めてバンドが登場する。まずは“Banana Split”。激しいリズムの応酬だった。そしてバンドが揃って“Making Time”。スケールの大きな音像にMARTINの伸び伸びした声が乗る。スピード感がありスリリングに響く。
「こんにちはソウルフラワー・ユニオンです」とTOSHI-LOW。そこから「シャンペイン」、「アレクサンドロス」とボケて、「お尻のO、ア◯ルのA、う◯このUです」と自己紹介した。「落ちてるものを拾わないで」と時事ネタや某フェスの話など危ないトークもあった。
ステージ下手からからドラムのRONZI、ヴァイオリン&ギター&ヴォーカルのMARTIN、パーカッションのKAKUEI、ギターのKOHKI、ベースのMAKOTO、そしてギター&ヴォーカルのTOSHI-LOWという編成。
ゆったりしたメロディが美しい「夢の跡」、アイリッシュなアレンジが郷愁を誘う“Midnight Sun”などを経て、TOSHI-LOWとMARTINが「来てくれるかな」「来ないでしょ」みたいなじらしコントをしてから、エルレガーデンの細美武士を呼び込む。この日、グリーンステージに登場予定で、エルレガーデンを観たいという人たちで今日のチケットがソールドアウトになったのではないか、と言われているところに本人が登場である。「フィールドオブヘヴンが好き」「ラムチョップを食べた」など語ってから、映画『新聞記者』の主題歌“Where have you gone”を一緒に歌う。雨が降っていたけど、このあたりから雨が止んで晴れ間がでてきた。
9月に発売される新しいアルバムから“A Better Life”、楽器同士の絡みがスリリングなインストゥルメンタルの曲“Bamboo leaf boat”、新譜から“Again”。そしてラストは“帰り道”。「始まったばかりなのに帰りの歌です」と語り「家で待っている人を思ってください」とさらに続ける。アイリッシュ(ケルティック)な音楽を聴くとなぜ、懐かしさを覚えてしまうのか。懐かしいという記憶とふんわり結びついてしまうのか。アイルランドに足を踏み入れたことのない人でも、なぜふるさとや家族を思ってしまうのか。この旋律、このアレンジ、この歌詞によって猛烈に懐かしさを覚えて心が揺さぶられるのだ。もちろん、この歌には西島秀俊と内野聖陽が仲良くイチャイチャしていたドラマの記憶もついてくるのだけど。雨はいったん止んだし、音楽と自然が溶け合った優しい時間が作り出されたライブだった。
セットリスト
Banana Split
Making Time
夢の跡
Midnight Sun
A Whole New Day
Where have you gone
A Better Life
Bamboo leaf boat
Again
帰り道
[写真:全10枚]