FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTFIELD OF HEAVEN7/26 FRI

思い出野郎Aチーム

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Photo by 平川啓子 Text by あたそ

Posted on 2019.7.26 15:23

ダンスにはいつだって間に合う!陽気な思い出野郎たちの見せた小さな希望

Redboneのヒット曲“Come and Get Your Love”とともにステージへと現れた、おじさん……いや、8人組のソウルバンドは、お揃いのネイビーのベースボールシャツを身にまとっている。思い出野郎Aチームだ。

1曲目は、“グダグダパーティー”。まだお昼を過ぎたばかりのヘブンのステージではあったけれど、観客たちの準備はリハーサルの段階でばっちり出来上がっている。「キープオンムービング!キープオンダンシング!」というダサい掛け声と一緒に、自由に身体を左右に揺らしている。
のちのMCでも話していたことなのだが、今から7年前、2012年のROOKIE A GO-GOに出演した際は、この曲のデモテープを送り、見事ステージに立つことになったという。
「ラジオ体操だと思って楽しんでいきましょう!」という高橋一(Trumpet, Vocal)の掴みはバッチリ。わかりやすい掛け声とリズムに、どうしたって耳に残るトランペット、トロンボーン、サックスの管楽器たち。肩の力を抜きつつも、リズムに合わせて身体は揺れ、自然と笑顔になってしまう。

長岡智顕 (Bass)のベースのリズムがスパイスとなり、手拍子に「ラララララ~」という掛け声が軽やかなメロディーに乗せられた“Magic Number”と、タイトルそのままの「アホな友達」というサビが繰り返される“アホな友達”が連続で演奏される。
そうだ。ここにいる人たちは、わざわざ有給を取得したり、大学生であれば試験をなんとか乗り切ったりして、無理やり来ている人たちばかりだ。当然、アホばかりに決まっている(笑)。フジロックははじまったばかり。国籍・性別・年齢を問わずに、それぞれの楽しみ方で自由に踊っているたくさんの人を見ていると、改めてフジロックに来ることができたことに、感極まりそうになる。
松下源(Percussion)のリズミカルなコンガの音に高橋のしゃがれ声。管楽器たちがアクセントとなり、昼の苗場は更に盛り上がりを見せる。斎藤録音 (Guitar)のメロウなギターソロもたまらない。思わずうなり、そして大きな拍手に歓声が上がる。
言われた通り、ラジオ体操のつもりで見ていたとしても、等身大であり、ド直球な歌詞には胸を打たれてしまう。こんなピースフルで素敵なステージを、生半可な気持ちで見られるわけないじゃないか!

9月18日に新アルバム『Share the Light』からは、まだあまり人前で演奏していないという“朝焼けニュータウン”。ドラムとベースの重低音が響き、「僕らが変われば、いつかこの街を塗り替えられる」という歌詞が乗せられていた。
最近、あまりよくないニュースをよく耳にしている。ここ数日間は特に気が滅入ってしまうほど、嫌なニュースばかりが続いていた。先週行われた選挙の結果も芳しいものではなかったように思う。しかし、そんな中でも、希望を持ちながら楽しく暮らし続けていきたい。この曲には、一人ではわずかな力かもしれないけれど、ひとりずつがゆっくりと変わっていけば、周囲の人や街をも変えていくことができる。祈りにも似た、彼らの小さな希望が込められているように思えた。

本人たちのことだろうか、ソウルバンドを組んでいる恋人を持つ彼女の心情を歌った“週末はソウルバンド”では、お金もなくデートにもなかなか行けないバンドマンとフジロックの観客たちを重ね、今回限りのスペシャルな歌となり、更に盛り上がりを見せる。
なめらかにすべるような増田薫(Sax)のソロと、緊張を見せつつも、椅子に立ち上がり、真顔でソロの演奏を楽しむ宮本直明(Key)。ステージ上は、終始ゆるい雰囲気に包まれていたが、岡島良樹(Drums)と長岡の2人のリズム隊がどっしりと構えているからこそ、気張らず肩の力を抜いたムードを産みだすことができているのかな?なんて思う。

“楽しく暮らそう”が終わり、最後は“去った!”で、曲の通りステージを去っていく8人のソウルバンドたち。陽気なリズムとグッとくるリフに終始踊らされ続け、これからの3日間がますます素晴らしい日々になることを予感させるような時間だった!

[写真:全10枚]

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7/26 FRIFIELD OF HEAVEN